「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「成長曲線」が落ちる理由
20代でがむしゃらに働き、30代で成果を出し、40代で失速する……。
このパターンは珍しくありません。肩書はそこそこ、経験も十分。それでも「最近伸びてないよね」と言われる人に共通するのが、過去の成功体験を正解として固定化する習慣です。
これが、40代で成長が止まる最大の要因です。
最悪の習慣:過去パターンを更新しない
「昔はこれで売れた」
「この業界はこういうものだ」
「前の職場ではこうだった」……
こうした発言が増えていませんか。
過去に通用したやり方を検証せず持ち込むと、環境変化に即座に対応できません。
市場は変わり、顧客行動も変わり、ツールも変わる。
にもかかわらずアップデートを拒むと、経験値がむしろ足かせになります。
数字を見ずに語ると劣化が加速する
成長が止まる人ほど「体感」「感覚」「経験談」で話をまとめがちです。
ところが、数字を見れば実態は明らかです。
「リード数は? 工数は? コストあたり成果は?」
これらを追わずに過去モデルを正当化すると、劣化に気づく機会を自分で潰してしまいます。
数値化は残酷ですが、だからこそ早期修正の入口になります。
学びを仕組みに変えられるかが分岐点
40代以降で伸び続ける人は、経験を「仕組み」に落とし込みます。
再現手順を言語化し、仮説と結果を数字で照合し、改善サイクルをまわす。
こうして自分の経験を組織資産に変換できる人は、年齢とともに価値が上がります。
一方、口頭伝承と精神論だけで語る人は、経験を持ちながら組織に残せない「消耗型人材」になります。
仮面をかぶって、過去を疑う側に立つ
内心では「昔はこれでいけた」と言いたくなる瞬間があるはずです。
そこで踏みとどまり、仮面をかぶって数字で検証し、仕組みとして再設計する側に回りましょう。
過去は素材であって、解答ではありません。
感情を脇に置き、事実で自分を更新し続ける40代こそ、次のキャリアの主役になります。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。