
今、世界の富裕層から注目を集める日本のリゾートといえば、北海道ニセコだ。富裕層を惹きつけるのは、その美しい景観だけではない。世界の富裕層はなぜニセコに集まるのか。また、「第二のニセコ」は登場するのか。富裕層の動向と国内外リゾートの最新事情に詳しい高橋克英さんが解説する。(株式会社マリブジャパン代表取締役 高橋克英)
世界の富裕層がやってくる
日本のリゾート、ニセコ
日本を代表する世界的なスキーリゾートである北海道のニセコには、米国や豪州、香港、シンガポールなど数多くの海外富裕層が世界最高のパウダースノーを求めてやってくる。
実際、2024年度のニセコエリア(倶知安町+ニセコ町+蘭越町)の外国人宿泊客延数は前年比で約10万人も増加し、83.9万人と過去最高を更新している。
「パークハイアットニセコHANAZONO」や「東山ニセコビレッジ、リッツ・カールトン・リザーブ」といった外資系ラグジュアリーブランドホテルや飲食店などには、外国人スタッフも多く、会話は基本英語だ。年内には「カッシーア・比羅夫ニセコ」の開業も予定されている。
なぜ、ニセコは海外富裕層を惹きつけるのか。
蝦夷富士と称される美しい羊蹄山やパウダースノーに象徴されるスキーエリアが高く評価されているのは言うまでもない。
加えて、先ほど例に挙げたように彼ら彼女らが普段から使い慣れた外資系ラグジュアリーブランドホテルやホテルコンドミニアムが多くある。英語が通じる、食事に困らないなど、海外富裕層向けの環境が整備され、ストレスなくゆっくりと滞在するのに適している場所なのだ。
さらに、ニセコが海外富裕層を惹きつけている要因はもう一つある。