時価総額の算出根拠の違いなどはありますが、この金額を見る限りはビットコインとイーサリアムはれっきとした資産としての地位を築いていることがわかります。

 また、CompaniesMarketCap社のデータ(2025年3月20日)では、世界全体での暗号資産の市場規模は約409兆円です。

 日本の上場企業株式の時価総額が957兆円(2025年2月末時点)なので、その半分近くになります。24時間の取引額も約20兆円に達し、日本の株式市場(日本取引所グループ)の1日の平均取引高5兆円(2023年度)をはるかに上回ります。

主要な暗号資産の時価総額ランキング(2025年3月20日時点)同書より転載 拡大画像表示

 こうした大きな数字を並べられてもピンとこない方もいるでしょう。

 ただ、ビットコインが2009年1月に生成され、翌2010年に初めてピザ2枚の購入に使われたときは1BTC=0.6円ほどでした。それが15年ほどで一時1BTC1700万円に至ったのですから、その間の成長率は実に2800万倍です。すさまじい速度で価値を高めてきたことがわかります。

 しかし一方で、疑問も湧いてきます。

 本当に今後数十年以上、価値が維持あるいは向上するのでしょうか?

 一時のバブルで終わる危険はないのでしょうか?

ビットコインは金のような
価値を持ちはじめた

 正直に言えば、未来のことは誰にもわかりません。ただビットコインなどの暗号資産に関しては、「資産のデジタル化」という観点では今後も価値を高めていくはずです。

 私にも、明日、明後日の値動きは予想できませんが、5年ほどのタームではある程度の予測は立ちます。2030年頃には1BTC=5000万円~1億円ほどの価格になるだろうという見解を持つ専門家やアナリストも少なくありません。

 有識者のものとはいえ、あくまで予測は予測でしかありませんが、各々が説得力のあるロジックで推論を立てているため、期待はできます。

 とても現実的には思えないかもしれません。しかし金に替わるデジタル資産として役割を確立し始めたことを考えれば、荒唐無稽な話ではないのです。