今こそ“逆転ホームラン”に期待! 
ヤクルト本社は復活劇の主役となるか?!

ヤクルト本社の業績推移●ヤクルト本社の業績推移
直近の四半期決算発表では、ヒット商品「ヤクルト1000」のブームの反動や物価高の影響を受け、通期業績予想を下方修正した。しかし、9期連続の増配は堅持しており、株主還元の姿勢は変わらない。現在の予想PERは15倍台と、過去10年間の平均である約32倍と比べても割安感が際立っている。今後、業績回復につながる好材料が出れば、株価が反発する余地は十分にある。
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 “逆転ホームラン”は、野球の醍醐味のひとつ。苦境から一転、勝ちをつかむ逆転ホームランのように、株価の低迷から脱し、大幅上昇を狙う、一発逆転の投資スタイルがある。

ヤクルト本社株価チャートヤクルト本社チャート(2267・週足)
チャート提供:マネックス証券
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「大きく株価を下げた銘柄は、好材料が出たときに市場の反応が早く、短期間で急騰することも少なくありません。ある程度のリスクを許容してこそ、大きなリターンを手にするチャンスが生まれるのです」(山和証券・志田憲太郎さん)

 そんな、“一発逆転”の投資スタイルを好むなら、見逃せない銘柄が2つある。

 まず1つめが、ヤクルト本社。株価下落リスクはあるが、条件が揃えば一気に反発する可能性を秘めており、“三振か本塁打か”の一発勝負を狙うハイリターン型の投資先として注目に値するだろう。

 実際、ヤクルト本社は主力商品「ヤクルト1000」の販売鈍化に加え、中国市場での販売不振が重なり、2025年3月期は減収減益という厳しい結果となった。しかしながら、その影響もあって株価は2023年の高値からほぼ半値にまで下落。現在の予想PERは15倍台と、過去10年間の平均である約32倍を大きく下回っている。

「業績面で不安材料が残っているのは確かですが、すでに多くの悪材料は株価に織り込まれているとみられます。ここから何らかの好材料が出れば、株価が大きく跳ねる展開も期待できます。例えば、猛暑による飲料需要の高まりや、健康志向の再燃、さらには中国市場の回復などが、株価反発の起爆剤となり得るでしょう」(志田さん)

AIブームに乗って業績の飛躍が期待できる
東京エレクトロンならMVP級の上昇が狙える!

東京エレクトロンの業績推移●東京エレクトロンの業績推移
2025年4~6月期決算では、中国の半導体需要減を受けて2026年3月期の通期見通しを下方修正。しかし、生成AIやデータセンター向けを中心に世界的な半導体需要は拡大しており、中国需要の落ち込みを補い、業績が急回復する可能性がある。
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 もう一つの逆転ホームラン銘柄が、東京エレクトロンだ。ヤクルト本社と同様に“業績の大逆転”によって、株価急騰や配当増額といったMVP級の活躍が期待される。2025年4~6月期は中国の半導体需要減が響き、2026年3月期の通期見通しを下方修正。しかし、半導体製造装置で世界トップ級のシェアを持つ東京エレクトロンにとって、AIの進化やデータセンター拡張といった成長分野の追い風の恩恵はまだまだ続く。中国需要の落ち込みを補う可能性も十分にあり、今後の巻き返しに注目が集まる。

東京エレクトロン株価チャート東京エレクトロンチャート(8035・週足)
チャート提供:マネックス証券
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「半導体関連企業は業績の振れ幅が大きく、ディフェンシブな投資には向きません。しかし、その分、成長局面に入ったときの上昇力は圧倒的。短期的な波を乗りこなせれば、大きなリターンを狙えるのが魅力です」(志田さん)

 実際、利益成長と配当実績を見ても、その成長ぶりは一目瞭然だ。過去10年間で営業利益は約8倍、配当も約12倍に増加しており、業績に連動する形で株主への利益還元も強化されてきた。「攻めの姿勢で投資にのぞみたい人には、まさに“逆転ホームラン”を狙える銘柄といえるでしょう」と志田さんは太鼓判を押す。

 トランプ関税などで先行きの見えにくい時代だからこそ、確かな実力を持つ企業に光が当たる。今こそ、“大谷翔平級”の株のスター銘柄を仕込む絶好のチャンスだ。