先の神奈川県に暮らす女性の言葉だ。

「日本人のお客さん、80%嘘ばっか。店では会社員と言うけど本当はプー(無職)とか、独身と言っても奥さんいるとか。社長さんって言ってたのに本当はヤクザだったこともある。結婚しても大変な人もたくさん。旦那働かないから、昼も夜も仕事しなきゃいけない人、旦那に毎日殴られる人、おじいちゃんの介護する人、それに苦しくなって自殺した人もいた」

彼女たちが日本での
結婚を急ぐ理由

 フィリピンパブに入り浸り、若い女性を口説くのに必死な男性の中に、どれだけ堅実で高い生活意識を持っている者がいるだろうか。日本語もろくに話せない20歳前後の女性がその中から信頼できる生涯のパートナーを見つけるのは至難の業だ。

 常識的に考えれば、彼女たちも若いのだから結婚を急がず、興行ビザで3回、4回と来日し、長い時間をかけてパートナーを選んだ方がいい。だが、そういう選択肢はあまり頭になかったようだ。

 先の女性は説明する。

「フィリピンには日本へ行きたい若い子がたくさんいる。だから、人気ない子や年上の子はプロダクションがクビにする。行きたい言っても行かせてくれない。だから、日本に行けた時に旦那さん見つけて結婚するしかない。いつ日本行けなくなって生活に困るかわからないから」

 このような背景があったため、フィリピン人女性たちは、限られた渡航のチャンスの中でパートナー探しに躍起になっていたのである。