「本当にそれで大丈夫?」「こうしたほうがいいんじゃない?」そんなふうに言われてしまうことはありませんか? 「なぜいつも、干渉されるんだろう……」と悩んだとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
累計20万部を超えるベストセラー著者、林健太郎氏が執筆した『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から「しんどい相手」が「心地よい人」に変わる、いい距離感を保つためのコミュニケーションを本記事で紹介します。

相手との距離感をそのつど探る
冷たく感じるほど遠くなく、依存関係になるほど近くもない、程良い距離とは?
この問いは現代社会において、さらに難易度が増しています。
ひと昔前の日本社会は均質性が高かったので、なんとなく「察し合う」ことができました。上司と部下なら、先輩と後輩なら、先生と生徒ならこれくらい、という距離感の正解が見つけやすかったのです。
しかし価値観が多様化している現在は、それぞれのケースごとに適正距離をつくり出していかなくてはなりません。
同一の相手との間でも、距離感はそのつど変動します。
ダイエットの事例で考えてみます。まず、こんな会話のやりとりはいかがでしょうか?
「今日は好きなものを食べるって決めたから、気にせず楽しむ!」
「え? ダイエット中なんでしょ? そんなことして大丈夫なの?」
「うん、たまに息抜きしながら続けるほうがいいって思って」
「でもさ、それが習慣になったら意味なくない?」
「いや、大丈夫だよ……(うわ、また口出しされる……)」
「ちゃんと管理しないと、せっかくの努力が無駄になるよ?」
「……(なんでそんな言われ方されなきゃいけないの?)」
こんなふうに感じる瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。
一方、同じダイエットでも、こんな会話もありえます。
「最近ダイエット始めたんだけど、無理なく続けるコツってある?」
「それなら、最初は無理せず食事のバランスを整えるのがいいよ! あと、短時間でも運動を習慣にすると続きやすいよ」
「なるほど! 確かに、いきなり厳しくし過ぎると続かないよね。ありがとう、やってみる!」
同じダイエットの話題でも、まったく干渉されたくないときと、逆に干渉して欲しいときがあったりします。
なんだかややこしい話に聞こえますよね。しかし、ここが実は発想の転換ポイントなんです。
距離とは固定的なものではなく、伸縮自在なものなのです。
そのつど探れば、そのときの最適解が見つかります。
(本記事は『なぜか干渉される人 思わず干渉してる人 あの人と「いい距離感」を保つコミュニケーション術』から一部を抜粋・編集して掲載しています)