就活が怖い・不安を解消する5つの方法

どんな不安でも、解決するための王道は「原因の明確化→その原因の解決」に限ります。
先ほどの章では原因を明確化したので、ここではその原因に対しての解決方法を一緒に考えていきましょう。
まずは簡潔にそれぞれの原因に対する僕が考える解決先を明記しますね。

【原因ごとの解決策】
• 原因:自分に自信がないから →すごい就活生だけが評価されるわけじゃないことを知る
• 原因:就活のやり方が具体的に分からないから →就活の流れと具体的にやるべき作業内容を把握する
• 原因:内定が1つも出なかったらどうなるのか分からないから →内定が1つも出なかった場合の動き方を先に知っておく
• 原因:面接が苦手だから(人と話すのが苦手だから) →面接の“正しい”対策方法を把握して実行する
• 原因:ブラック企業に入社してしまう可能性があるから →ブラック企業の見分け方の把握と入社前にチェックする方法を知る

解決策① すごい就活生だけが評価されるわけじゃないことを知る

就活が怖いと感じるのは、自分に自信がなかったり、「就活はすごい就活生だけが評価される」というイメージを持っていることが原因として挙げられます。本書の第1章では、「企業はすごい就活生だけを求めていない」ということを書きました。むしろ僕のような脇役さんを評価する企業は多いのです。それを知るだけで、「自分は就活で評価されないだろう」という不安から、「自分でも就活なら評価されるかもしれない」という希望に変わります。

ではなぜ企業はすごい就活生だけを求めていないのか?

これは簡単な話で、すごい優秀な人ばかりが入社したら、出世競争も激しくなるし、意見もぶつかり合うし、優秀であればあるほど転職や独立される可能性があるからです。受験のように、テストの点数が高ければ問答無用で評価されるのとはワケが違うんですよね。

企業という“組織”は、すごい就活生だけでなく、正直で素直な脇役さんも求めています。「多様性」を求めています。だからこそ、引っ込み思案だろうと、話すのが苦手だろうと、生まれ持った性格や長所を求める企業から評価されることができるのです。

解決策② 就活の流れと具体的にやるべき作業内容を把握する

次に、「就活はやることが分からない」からこそ、怖いと感じる人は多いんですよね。この解決策は1つで、具体的にやるべきことを把握するに尽きます。

例えば、就活の選考過程に「適性検査」というものがあります。これが何か分からなければ、適性検査がありますと言われて「え!なにそれ」と不安に思うはずです。

一方で、適性検査の存在を知っていて、かつ既に問題集を解いて対策を進めている人は、「うんうん、だから問題集を解いているんだよね」と不安はないでしょう。

このように「何をすべきか」を把握し、取り組むことが就活の不安を解消することに繋がります。

解決策③ 内定が1つも出なかった場合の動き方を先に知っておく

次に、就活に対して怖いと思う原因が、「内定が1つも出なかったらどうしよう」という不安です。僕も大学生のときは、内定が1つも出なかったらフリーターになるしかないと思っていました。これに対しては、朗報があります。

それは「少子化」という日本の現状です。

就活も今は売り手市場と言われ、就活生が優位な状況が続いています。この理由は少子化によって、そもそもの就活生の人数が減っていることは大きな要因でしょう。

仮に日本の若者の数が多くて、若者を採用したい企業が少なかったら、どこにも就職できない状況がすぐに生まれます。

ですが、今の日本の採用状況を見ると、仮に新卒で就職できなくても、既卒としていくらでも就職先があります。「既卒を採用する企業ってブラック企業なのでは?」という不安もあると思いますが、そもそも今は働き方改革などでブラック企業が減ってきています。そして、既卒を採用する企業の中にも当然ですが、労働条件が良いホワイト企業はいくらでもあります。

つまり、仮に内定が1つもでずに、そのまま卒業してしまっても、既卒としていくらでも就職活動を続けることができるのです。

もちろん、だからと言って適当に就活をするのは違います。ですが、このように最悪のケースを想定して、「あれ?意外と大丈夫そうじゃない?」と心に余裕を持つことは、就活への恐怖心を減らし、前向きに行動するためには必要だと僕は考えています。

解決策④ 面接の“正しい”対策方法を把握して実行する

続いて、多くの大学生が就活に対して不安を感じるのが、面接だと思います。原因のところでも解説したとおりで、面接に不安を感じる原因は、そもそも面接の経験がないからです。さらにエントリーシートのように、家で黙々と作業できるのとは違って、面接は「一発勝負」ですから、余計に不安を感じますよね。

そんな面接ですが、僕が就活生のときも最初の面接では自己PRでさえ、まともに言えませんでした。でも「それで良い」と思っていたのです。なぜでしょうか?

僕は面接に対して、そもそも「慣れるもの」だと考えていました。だからこそ、最初は50点でいいと割り切っていたんですよね。実際は50点もあげれないような手応えでしたが、面接を3回、5回と重ねていくうちに慣れていきました。そして慣れるにつれて、50点、60点、70点…90点と、自分なりにも満足いく面接ができるようになったんですよね。

このように面接は「場数による慣れ」が非常に重要です。しっかりと面接対策をすること、つまりは準備をすることが前提ですが、準備して場数を踏むことの繰り返しこそが、面接対策の本質です。

そうと分かれば、面接対策をするうえで大切なことが見えてきます。それは「選考を受ける企業を増やすこと」の重要性です。

最近は売り手市場のこともあって、1人あたりの平均エントリー数が非常に少ないです。面接の参加社数が一桁がザラです。

しかし、僕のように面接に対して苦手意識がある人は、エントリー数を増やして面接の参加機会を増やすことが大切なんですよね。場数を踏む必要があるからです。


以上をまとめると、面接への不安を解消するためには、次の行動が必要となります。
1. 基本的な面接対策をおこなう(=面接の準備)
2. エントリー企業数を増やす(=場数を踏む準備)
3. 面接の場数を踏む

初めて参加する面接から良い結果を残そうと無理をする必要はありません。
それ以上に、徐々に面接がうまくなれるようにしようと考えることを僕はおすすめします。

解決策⑤ 入社前にブラック企業を見分ける方法を知る

いよいよ、就活が怖いという不安を解消するための最後の施策についてです。就活は「ブラック企業に入社することになったらどうしよう」という不安がありますが、これの解消方法は1つです。

ブラック企業じゃないか確認すること。これに尽きます。

就活生の多くは「内定を獲得すること」がゴールになってしまい、自分に合った企業かどうかの確認作業を適当にしてしまいます。内定を獲得することをゴールにすると、内定先が自分に合わず、ましてやブラック企業だったら、すぐに辞めることになりかねません。それを避けるためにも、まずはエントリーする前にその企業の労働条件を知ること。残業時間や休日数、離職率は必ず把握すべきです。

更に内定を獲得した後、「やったー!就活が終わったー!」とすぐに卒業旅行に行くのではなく、内定先の現場の社員さんと話す機会を作ってもらってください。

そこで「入社後のギャップ」や「具体的な仕事内容や1日の流れ」など、リアルな情報を聞く、その上で絶対に避けたい条件に当てはまらないか確認することが大切です。

この入社前の最終チェックは面倒ですが、入社してすぐに辞めて転職活動をする方が面倒です。ぜひ内定獲得後こそ、気を抜かずに最終チェックするようにしてくださいね。

そして、今から就活を始める人は「ちゃんと入社前の最終チェックをすればブラック企業を避けることができそうだな」という認識を持っておきましょう。

「就活が怖い」は悪いことじゃない。怖いからこそ、動ける。

ここまで就活を怖い・不安だと感じる原因と解消する方法を解説してきました。この記事の最後に、就活に対して恐怖心を抱くすべての方にメッセージを送りたいと思います。

僕も含めて、就活が怖いという思いは多くの人が持つと思います。ですが、その「怖い」という思いは決して悪いことではなく、むしろ行動のための燃料になると考えています。

就活は“早く終われるか競争”ではありません。ゆっくりで大丈夫なので、丁寧に取り組んでください。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです