キャスターの小宮悦子キャスターの小宮悦子 Photo:SANKEI

女性キャスターの草分けの田丸美寿々と
「ニュースステーション」の小宮悦子

 埼玉県の中部に位置し、江戸時代には川越藩の城下町として栄えた川越市。県立川越女子高校は明治時代に、県内で2番目に設立された高等女学校を前身とする伝統校だ。略称は「川女(かわじょ)」だ。

 女性ニュースキャスターの草分けともいえる卒業生がいる。元フジテレビアナウンサーの田丸美寿々だ。1971年に川女を卒業、東京外国語大英米語学科に進学し、大手商社に内定したが、大学の掲示板で見たフジテレビのアナウンサー募集に応募した。約2000人が受験した難関をくぐり抜け、1975年に報道局解説放送室付リポーターとして入職した。

「重要なニュースは男が読まなければ信頼されない」などといわれていた時代だ。男女雇用機会均等法が施行される10年前の話でもある。昨年来、「フジテレビ問題(中居問題)」が大きくクローズアップされたが、そのフジテレビでの女性アナウンサーとしてのありようは、推して知るべし。ただし、田丸はいくつかの壁を乗り越え、入社4年目で女性初のニュースキャスターに起用された。1983年にフリーに転身後も、各局の報道キャスターとして大活躍した。

 田丸より6年後に川女を卒業した小宮悦子が、田丸の背中を追いかけた。東京都立大を卒業、何となく受けたテレビ朝日のアナウンサー試験に合格した。テレ朝の面接会場では、偶然にも川女同級生の野崎由美子がいた。「受かるわけないね」としゃべっていたが、2人そろって合格した。

 テレ朝の看板番組だった「ニュースステーション」などで人気を博し、「悦ちゃん」という愛称で親しまれた。1991年にフリーに転じたものの、テレ朝での出演が中心だった。