会社の選び方が、
変わっていかなければいけない

今、必要なことは、会社選びの基準を改めて考え直してみることではないか、ということです。自分で選択することをもっと大事にする。そのためには何が必要なのか。あたらしい働き方を追いかけていく過程で、私はそのヒントに気づくことができたのでした。

 もとより、あたらしい働き方は、過去からの連続性がありません。これまでの働き方は参考にできないのです。先生や“大人”の言う通りにしたとしても、うまくいくとは限らない。前提が変わってしまっているからです。自分で考えなければいけないのです。

 そして選択肢が広がってきているのに、そのことを知らなかったり、過去の延長線上で考えてしまったり、古い働き方の固定観念に縛られてしまうと、これまでのいわゆる「いい会社」の条件がすべて裏目に出る危険もあると私は思っています。そのことにもぜひ、気づいておいてほしいと思います。

 ニューヨーク・タイムズ紙に興味深い記事がありました。デューク大学の研究者キャシー・デビッドソンが、こんなコメントをしていたのです。2011年に小学生になった子どもの65%は、将来今はない仕事に就く。

 どうでしょうか。数字はさておき、これはおそらく、かなりありえることだと思います。今はない仕事に就くなら、働き方もまったく違ったものになっていくはずです。遠い未来ではありません。ほんの少し先の話です。そのことを、知っておいたほうがいい。

 働き方が大きく変わっていく中で、会社の選び方も、これから大きく変わっていかなければいけないのです。あたらしい時代の会社選びの指針こそが今、必要とされているのではないのでしょうか。

もっとハッピーに働く方法は、実は意外に近くにある。

そのことに、多くの人に気づいてほしいと思っています。

 次回からは、すでに始まっているあたらしい働き方を紹介するとともに、どうすればそんなハッピーな仕事を手に入れることができるのか、そのためにはどんなことをしなければならないのかを伝えていきます。

次回は6月10日更新予定です。


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