絶妙なタイミングで励ましてくれる
スマートウォッチの驚くべきヘルスケア機能

・睡眠サポート

 FitbitやApple Watchなど多くのスマートウォッチは睡眠トラッキング機能を備え、浅い睡眠・深い睡眠・レム睡眠などの睡眠ステージを自動記録して「睡眠スコア」を算出する。これにより、自分の睡眠の質を可視化して生活習慣の改善に役立てることができる。

 実際、Fitbitが2010年以降に収集した延べ40億件以上のビッグデータ分析からは、「1晩に7時間以上の睡眠」が短期記憶や細胞再生、感情抑制など健康面に良い影響を与えることが科学的に裏付けられた。

 このように身体に装着して睡眠習慣をモニタリングすることで、自分に適した睡眠時間の確保や睡眠障害の兆候の発見(夜中の血中酸素低下から睡眠時無呼吸症候群の可能性を推測する機能など)に役立っている。

・高血圧の治療補助

 血圧管理への応用も進んでいる。たとえばオムロン社が開発した腕時計型のウェアラブル血圧計「HeartGuide」は、従来の上腕式血圧計を大幅に小型化し、腕時計の形で手軽に血圧が測定できる。米国や日本ではすでに医療機器としての認証を取得しており、診断や治療にも活用できる点が画期的だ。1日に何度も自動で血圧を記録し、夜間や運動時の血圧変動も把握できるため、高血圧患者の服薬や生活習慣指導に役立つ。

 また、SamsungやHuaweiのスマートウォッチには、光学センサーで血圧を推定する機能を搭載したモデルもあり、カフなしで日常的な血圧トレンドを把握し、医師と共有するといった活用が模索されている。