
部下への業務の指示とその確認、評価は上司の重要な仕事の一つです。では、部下の仕事がイマイチだったとき、上司は本人にどう伝えればいいのでしょうか。「なぜできないんだ」と叱責するのはもってのほかですが、昨今はハラスメントを恐れすぎるあまり、適切な評価ができない人もいるようです。どんな点に留意し、どのように伝えればよいのか。若手社員2万5000人を指導してきた人材育成コンサルタントがお伝えします。(株式会社ポールスターコミュニケーションズ 代表取締役 北 宏志)
イマイチな仕事に対するフィードバック
どうすればいい?
上司という立場にある以上、必ず通らなければいけないのが、部下への注意というシーンです。依頼した業務の出来がイマイチだったとき、指摘せずに放置するのは最もやってはいけないこと。会社のためにもなりませんし、もちろん部下本人のためにもなりません。
ここで肝に銘じておきたいのは、部下への注意は自身のストレスを発散する場ではないということです。一部の人は感情に任せて怒ったり、強い言葉を使い、言うことを聞かせようとしたりします。これでは適切な上司と部下という関係性を築けません。
一方で、昨今はハラスメントだと思われるのを過度に恐れるあまり、自身の感情を隠し、穏便に済ませようとする人もいるようです。これはこれで、部下の成長のためにはならない行動です。
大切なのは、怒るのではなく、会社のため、部下のための指導だというマインドセット。そこさえぶれなければ、部下に対して、正しい注意ができるのです。