「どうして自分は続かないんだろう?」 勉強、筋トレ、ダイエット……やる気はあるのに、気づけば三日坊主。そんな経験、一度や二度ではないという人も多いのではないでしょうか。こんな私たちの悩みに心理学の視点から解決策を導き出すのが、新刊『すぐやる人の頭の中──心理学で先延ばしをなくす』です。著者は、モチベーションの研究を専門とする筑波大学人間系教授・外山美樹氏。本稿では、本書の内容をベースに「自然と努力が続いていく心理テクニック」を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「よし、やるぞ!」だけでは行動を始められない
「今日はちゃんとやるぞ」と気合を入れたのに、気づけばスマホ、テレビ、SNS……。
「やるつもりだったのに、つい他のことをしてしまった」「タイミングを逃して、結局できなかった」
それは意志の弱さが原因ではありません。
実は「努力を続けられる人」は、最初の一言のかけ方がまったく違うのです。
脳は、抽象的な指示やあいまいな予定には反応しにくいもの。「あとでやろう」「時間ができたらやろう」と考えるほど、行動は先延ばしになってしまいます。
「実行意図」が、あなたを動かすスイッチになる
そんなあいまいな意志を、心理学で効果が実証されてい「実行意図」によって具体的な行動に変えることができます。
これは、行動を「条件」とセットで決めておく心理的なテクニックです。たとえば、
「通勤電車に乗ったら、英語学習アプリを開く」
「夕食後のお茶を飲み終わったら、参考書を開く」
このように、「もし〇〇したら、△△する」という形で、行動のトリガーを決めておくのです。
すると、脳の中で条件と行動がリンクし「やるかどうか」と迷う時間を省いて、すぐ動けるようになります。
小さなスイッチが、継続を生み出す
この実行意図の良いところは、意志の強さに頼らなくていいこと。
「やると決めたことを、決めたタイミングでやる」
ただそれだけのことが、積み重なると大きな差になります。
毎日の中に、行動のスイッチを仕込んでおくだけで、自然と行動が続き、成果が見えるようになってくるのです。
あなたの実行意図は何ですか?
「勉強が続かないんだよな……」という人は、ぜひ、さっそく今日から試してみてください。
やりたいことを「実行意図」の形に変えて、紙やスマホに書き出してみましょう。
ポイントは、「具体的なタイミング」と「小さな行動」をセットにすること。
「行動が始まる瞬間」をあらかじめ決めておくことで、驚くほどスムーズに体が動き出す感覚を実感できるはずです。