株式投資をする人たちの間で大きな支持を集める話題の1冊が『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズに答えるだけで「投資のコツ」をつかめる手軽さが人気を博し、絶賛の声が尽きない。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超もの資金を運用してきた経歴を持つ楽天証券・窪田真之氏だ。本記事では、同書の担当編集者が本のポイントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

トレンドの「初動」を捉えるには?
チャートを利用した短期トレードで大きなリターンを得るには、「トレンド相場の初動」を見極めることが何より重要です。
では、その初動をどう見抜けばいいのでしょうか?
窪田さんが『株トレ』で紹介しているのが、「ボリンジャーバンド」というツールです。

聞きなじみのない方のために、簡単に説明します。
ボリンジャーバンドは、「移動平均線」と「標準偏差(σ)」をもとにして描かれる上下2本の線で構成されます。
・上限:移動平均+(標準偏差×2)
・下限:移動平均-(標準偏差×2)
このようにボリンジャーバンドを「2σ(標準偏差×2)」に設定すると、統計的に株価の約95%がバンドの範囲内に収まるとされています。
買いシグナル、売りシグナル
ボリンジャーバンドは、株価のボラティリティ(価格変動の大きさ)を見るのに適しています。
バンドの幅が広ければ、それだけボラティリティが大きく、バンドの幅が狭ければボラティリティが小さいことを示します。
・バンドの幅が狭い=ボラティリティが小さい。たいてい、株価が一定の価格帯で上下している状況(レンジ相場)
・バンドの幅が急に広がる=相場に新しい材料が出て、価格が大きく動き始めた状況
例えば、バンドが狭い状態から、株価が急にバンドの上に飛び出した時には、相場で何が起きているのでしょうか?
売買が活発になって、株価が急騰しているわけなので、ポジティブな材料によって投資家の買いが一気に加速していることがわかります。これが「買いのシグナル」です。
逆に、バンドの下に突き抜けた場合は、ネガティブな材料で一気に売られていることがわかります。これが「売りのシグナル」となります。
「バンドウォーク」が続く限り、持ち続ける
多くの個人投資家がやってしまうのが、少し上がっただけで利確してしまうこと。
ですが、しっかり利益を伸ばすためには、上昇トレンドに乗り続けることが大切です。
株価がバンドに沿って推移する「バンドウォーク」が続くかぎり、持ち続けます。そうすることで、トレンド相場で利益を大きく取ることができます。
本書では、ボリンジャーバンド以外にも、さまざまなテクニカル指標の使い方を紹介しています。チャートの見方をクイズ形式で楽しく学ぶことができます。
また、投資の成否を分ける「メンタル面」にも踏み込んでいて、これから株を始めたい初心者にも、経験者の学び直しにも最適な1冊です。