個人投資家から熱い支持を集めるのが『株トレ』シリーズだ。シリーズ第2弾の『株トレ ファンダメンタルズ編』では、60題のクイズを通じて「業績や財務の読み方」を学ぶことができる。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。この記事では、『株トレ』の担当編集者が、とくにこれから投資を学ぶ人に届けたい「プロの視点」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

減配リスクを避ける! 高配当株の「正しい選び方」とは?
安定した「おこづかい収入」として、高配当株は個人投資家に根強い人気があります。
保有しているだけで、年に数%の配当金がもらえる――そんな「お金が自分の代わりに働いてくれる感覚」が、多くの個人投資家を魅了しているのでしょう。
しかし、そんな高配当株にも落とし穴があります。
楽天証券の窪田真之氏は、著書『株トレ ファンダメンタルズ編』の中で「高配当株こそ、慎重に選ぶべきだ」と強調しています。
高い利回り=安心ではない!
「配当利回りが高いからお得!」と思って飛びつくのは危険です。
株の配当利回りは確定利回りではないからです。
企業の業績が悪化すれば、配当が減り、それに伴って株価も大きく下落する可能性があります。
窪田氏がまず強調するのは、「いかに減配リスクを避けるか」という視点です。
単に利回りの数字の高さだけで銘柄を選ぶのではなく、「長期的に安定して配当を出し続けられる企業かどうか」を見極めることが重要だと説きます。
減配リスクが低い銘柄「3つの条件」
では、どんな企業なら安心して保有できる高配当株と言えるのでしょうか?
窪田氏が、本書の中で示す条件は、次の3つです。
条件1:時価総額が大きい
条件2:収益力が安定している
条件3:財務が良好である
この3つの条件をすべて満たす企業が理想ですが、特に投資初心者にとっては、「収益の安定性」や「財務の健全性」を判断するのは難しいもの。
そこで、もっとも手がかりにしやすいのが「時価総額」です。
初心者は「時価総額」に注目すべし!
例えば、時価総額5兆円を超えるような日本の大型株であれば、収益基盤や財務体質がしっかりしている企業が多く、結果的に条件2と条件3を満たしているケースが多くなります。
一方で、時価総額が小さくなるほど、配当利回りは高いが、実は業績や財務にリスクを抱えているというケースが増えてくるため注意が必要です。
もちろん、5兆円未満の企業の中にも優良な高配当株は存在します。
ただしその場合は、業績や財務状況を、自分自身でしっかり見極める目が求められます。
自分で見極める力をつけたい人へ
配当利回りの数字だけにとらわれず、「なぜこの企業は配当を出せているのか?」を考えることが、高配当株投資の成功につながります。
本書では、収益や財務の読み方など、銘柄の中身を見抜くスキルを、クイズ形式で楽しく学べます。
高配当株を安心して長く持ちたい人に、おすすめの一冊です。