
「人に嫌われたくない」「期待を裏切りたくない」そんな思いから、つい頑張りすぎてしまった経験はないだろうか。いわゆる“いい人疲れ”は、個人の性格だけでなく、他人の性格や行動が原因であることがある。他人からの期待や感情の押し付けから自分を守るために “バウンダリー(心の境界線)”という視点を考える。※本稿は、藤野智哉『人間関係に「線を引く」レッスン 人生がラクになる「バウンダリー」の考え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
過度の期待をかけるのは
「べき」の押し付けと同じ
「他人に期待をかける」ときは、相手の領域に入ってないかを気をつけたいところです。
「期待に応えるためにがんばる」というのは一見、いいことのように聞こえますが、「上司の期待がプレッシャーになってしまう」「親の期待に応えようとして疲れてしまった」など逆に追い詰められてしまうこともありえます。
バウンダリー(編集部注/自分と他者の間にある境界線)で考えると「自分に向けられた期待」は「自分の領域」のように見えますが、「相手の領域」です。
あくまでも「期待」はかけた人の持ち物。ですから、「期待をかけられた人」が背負う必要はありません。
職場によく「君には期待していたのに、仕事がつらいと言うなんて」などとがっかりする上司がいたりしますが、そもそも勝手にかけた期待に、応えるかどうかは「部下の領域」です。
他人に勝手に期待して勝手にがっかりするというのは、本当に誰も得しないシステムだと思います。