「お前のためを思って言ってるんだからな」

「心配だから言ってるんだよ」

 こんなふうに「あなたのため」を全面的に押し出してくる人はバウンダリーバスター(編集部注/「境界を破壊する人」や「境界を越える人」を指す言葉)だったりします。

「おせっかいバウンダリーバスター」とでもいえばいいでしょうか。

「やさしさ」や「心配」というふうを装って、自分の意見を押しつける人たちです。

 さらには、意見に従わないと、とたんにおどしたり、怒ってきたりします。

「あとで後悔しても知らないぞ」

「普通はそんなことしないぞ」

 といったように。

 自分の領域への侵略は「やさしさ」や「常識」の顔をしていることもあるのです。

 ですが、「線を引くのが苦手」な人の中には、「親切で言ってくれているから」「こちらのことを考えてくれているから」と良いように受け取る人がいます。

 むしろ「心配してくれたのに、モヤモヤする自分がひどいのかな」と罪悪感をもってしまう人すらいます。

 しかし、いくら「あなたのためを思って」「心配だから」と言われても、あなたが「イヤだ」「したくない」と思うかどうか、そのうえでどう行動をとるかは「あなたの領域」です。

 あなたの感情や考えを優先していいのです。

 もしも「良いことを言われているようだけど、なんか苦しいな」と思ったら、上手に切り返せたらいいですよね。

 ここで、いくつか切り返しフレーズの例をあげておきます。

「お前のためを思って言ってるんだからな」
→ありがとうございます。でも自分で決めることにしますね

「普通はそんなことしないだろ」
→私の中の普通とはちょっと違うかも

「心配だから言ってるんだよ」
→気持ちはうれしいけど、自分で判断したいのです

「あとで後悔しても知らないぞ」
→後悔も経験だと思って楽しみます

 いかがでしょうか。

 このような「とっさの切り返しフレーズ」を用意しておくと、おせっかいバウンダリーバスターから自分を守ることができそうですね。