東京理科大生の生活と性格

 理科大生にとって、大学はあくまで勉強をする場所だ。国公立早慶に落ちて流れてきた学生が多いこともあり、大学のレベルは高くても、自校に対してブランド価値を感じたり、強く誇りに思ったりしない。とはいえ、「早慶を除く私立の理系の大学と並べられるのは嫌」(工学部)という声も。

 ただ、勉強熱心、おとなしい、他人に対して寛大というギーク(オタク)的なタイプが集まり、「居心地のよさ」を感じる者は多い。「理科大にボッチはいないと思う。誰かしらと仲良くなれるから」「マイナーな趣味を理解してくれる人がいて嬉しい」というように、似た者同士で仲良く勉強に励んでいる。

 ピーク時間を過ぎた学食は真剣な表情で課題に取り組む学生グループで埋め尽くされる。「学内を一周すれば友達の誰かは勉強していて、自分も頑張ろうとなる」(理学部)となるのは理系大学ならではのいいエピソードだろう。

 サークル加入率は5割強。就活や研究に力を入れるため、3年生の終わりで引退することがほとんど。「鳥人間コンテスト」に向けて人力飛行機を製作するサークルは有名。食堂や体育館で組み立てているところを見かける」(工学部生)。バイトは時間の融通がききやすい家庭教師が人気。

 恋愛事情に関していうと、生物系などの女子が多めの学科では、クラス内カップルが成立しやすい。とくに実験の授業は、男女が一日中一緒にいるために恋のきっかけとなるそうだ。

 一方、女子が少ない学科はチヤホヤされるかと思いきや、そうでもない。「正直もう少し女子がいたらよかったのにと思うことはある」(工学部生)と言いつつ、遠まきにしてしまうのは女子いわく、「理科大生の男子はシャイだから……」(先進工学部生)。

 進路については研究室の教授や先輩のコネは大して期待できないが、「そこそこの成績でそこそこの研究室に入れば、大企業を狙える」「学部卒だと超一流は難しい。修士ならどこでも狙える」「推薦枠には偏りがある」という感じ。

 とはいえ、就職率ランキングでもトップクラスの常連だ。卒業生の約5割が大学院へ進学。そのうち8割弱は理科大の院で、東大大学院への進学者数は東大からの進学者を除いて全大学中トップクラス。