東海大学生の生活と性格

 マナーを守る常識人が多い印象。朝方、湘南キャンパスの最寄り駅は、大勢の学生であふれるが、皆、きちんと並んで上り専用の階段を上っていく。大声でおしゃべりする者や、信号無視をするような学生もおらず、黙々と学校へと向かう。

 キャンパス付近でも、ゴミを放置しようとした友人に軽く注意する学生や、取材班とすれ違った際、挨拶をする学生の姿が見られた(講師と勘違いしたのだろう)。夕方も同様に、皆黙々と坂を下って駅へ向かう。

 男女とも「今は最高とは思わないが、別に不満もない」派が主流。名前の似ている東洋大学と混同されたりすることもあるが、学歴コンプレックスや、将来に対する切迫感は抱いていない様子。良く言えばおおらかだが、悪く言えばノンキ。

「他大の友達は、資格を取るのが当たり前みたいで、『何か資格取った?』と聞いてくるけど、自分も含めて、周囲で資格を取ったり、専門学校に通っているという話は聞かない」(教養学部)。

 就職が不安という声は聞かれたが、そのために何か動いているかと言えば、そうでもないらしい。キャンパスが飛地かつ広すぎて、学部間の交流が少なめ。せっかくの多様な学部、学生の多さを生かせず、同じ属性のグループで固まっている印象だ。

 ただ、マンモス大学なだけあり、学部の幅はかなり魅力。「日本で唯一の北欧学科がある。この大学にない学科ってあるんだろうか」(文化社会学部生)、「海に興味のある人にはオススメ。1週間ほどの海洋実習もあるし、キャンパスものんびりしていて過ごしやすい」(海洋学部生)との声からもそのことがわかる。

 東海大の学費は私大の中でも高くトップクラスだが(入学金や授業料以外の施設費などが特に高い)、金持ちの子はむしろ減少ぎみ。一人暮らしの学生もわりと多く、仕送り額は平均10万円強とフツー。これは湘南キャンパスが田舎にあるので家賃が安いせいでもある(相場は3万~5万円台)。