「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「とりあえず大手」を選んだ人が“いつか行き詰まる”根本理由Photo: Adobe Stock

「とりあえず大手」の落とし穴

将来を決めきれず、消極的に“正しそうな選択”を重ねていく――それが、モラトリアムの本質である。

「とりあえず大手」「とりあえずコンサル」「とりあえずMBA」。
どれも理にかなっているし、他人が口を挟める余地などない。

だが、それゆえに――その選択は、やがて“目的なき最適化”となり、自分の輪郭を、少しずつ削り取っていく。

キャリアは立派だ。けれど、気付けなかった。
その道の先に待っていたのは、自由ではなく、行き止まりだった。

「どこでも通用する」のリスク

ジェネラリストは、「どこでも行けそう」に見える。
けれど、いざ市場に出ると――

「専門性が伝わらない」
「ストーリーが薄い」
「即戦力としての像が描きづらい」

そんな評価が、現実として突きつけられることがある。

「どこにも行けない」に変わる

この違和感は、能力の問題ではない。
本質は、「自分が何者か」を――自分の言葉で、語れていないことにある。

頼まれたことに、誠実に応える――
それは間違いなく、美徳である。

けれど、それが続きすぎると、「評価される役割」に過剰適応し、いつしか“私は何がしたいのか”という感覚が、ぼんやりと霞んでいく。

「やれること」は確かに増えているのに、「やりたいこと」が言葉にできない。
人生の舵を、他人に取られてしまうと、そのギャップは徐々に大きくなるのだ。

(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)