1位は、そば
肥満予防になる3つの理由

【肥満予防に! 1食あたりの食物繊維が豊富な主食ベスト5】

1位 そば(ゆで) 3.0g(1人前150g)※生麺は100gあたり6.0gもの食物繊維がある
2位 発芽玄米 2.7g(茶わん
1杯150g程度)
    全粒粉パン 2.7g(1人前60g)
3位 玄米 2.1g(茶わん
1杯150g程度)
4位 ベーグル 2.0g(1人前80g)
5位 フランスパン 1.4g(1人前50g)


※「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」プロスキー変法食物繊維量に基づき、1人前あたりで管理栄養士の望月理恵子氏が算定

 1位は、「そば」である。

 そばは食物繊維が豊富な以外にも、肥満防止になる理由が大きく二つある。まずは白米、うどん、食パンなどと比べてGI値(食後血糖値の上昇を示す値)が低いこと。一般的にそばは、玄米と同程度の低GIとされている。

 東邦大学名誉教授で循環器専門の東丸貴信医師が、こう説明する。

「食物繊維の含有量が少ない炭水化物や精製穀物はGIが高くなりやすく、糖尿病の予防や治療にはGIが低い食品が良いことが、多くのエビデンスで裏付けられています。心血管疾患リスクについても低GI食品を摂取したほうが、リスクが低くなることがわかっています」

そばは食後の血糖上昇を抑えて
コレステロールを下げる

 またGL値(1食分の量を踏まえた炭水化物の質と量を示す指標)も低いため、食後の血糖上昇を抑えられる。

 肥満防止になる二つ目の理由として、「そばには食物繊維と似た働きをもつタンパク質(レジスタントプロテイン)も含まれている」と、望月氏。

「レジスタントプロテインは消化酵素によって分解されにくく、脂肪分やコレステロールの排出を助けてくれる働きが期待できます」

 実際にそば摂取により、コレステロールを下げる報告がある。東丸医師が紹介してくれた。

「2018年、そばの摂取が心臓血管病に及ぼす影響を人や動物で研究した論文を包括的に要約し分析した解析研究が、国際栄養学術雑誌『Nutrients』に論文発表されました(※2)。そば摂取介入群は、そうでない群と比べて血糖値や総コレステロール値などが有意に減少しています」

そばに含まれる「ルチン」には
抗炎症や抗酸化作用がある

 そして「老けない主食」という視点で見ると、そばに含まれる注目成分は「ルチン」だ。ポリフェノールの一種で抗炎症や抗酸化作用があるとされる。

「毛細血管を強くする、動脈硬化や血栓形成を予防する、血圧を下げるなどの血管系への作用と心臓の働きを良くする作用があることが動物実験などで報告されています。つまり総合的にルチンは、血管と心臓に良い作用が期待できるということですね」

「ただし、問題はそばで取れるルチンの量。そば粉200gにはルチンが30mg含まれるとされます。ですが例えば、ルチンのサプリメントを摂取し、心血管疾患リスクが低下したという研究報告ではルチンを1日1g(1000mg)摂取しているのです」(東丸医師)

 そのため食品でルチンを取ることがどこまで効果的か定かではない。だが、体に良いことは確かだから、やはりそばを積極的にいただきたい。