原材料名に記されている順番は
「小麦粉」が先か、「そば粉」が先か
自宅で調理するなら、麺の選び方が重要だ。麺の外袋に記載される原材料名は、含有量の多いものから記載されている。つまり「小麦粉」が先に記されているものは、そば粉より小麦粉の含有量が多いそばということ。そばの効能を求めるならそば粉が先頭に書かれているものを選びたい。
「そば粉のみで作られた『十割そば』もお勧めです。“苦そば”として知られる『韃靼そば』もルチンが多く含まれますよ。またルチンと一緒に、抗酸化作用によって動脈硬化を予防するビタミンCの摂取を。ビタミンCの吸収がルチンによって促進され、毛細血管強化に働くと考えられます。ですから蕎麦の具にピッタリなのは、ビタミンCが豊富な大根おろしやとろろ。そばにトッピングすることで相乗効果が期待できるでしょう」(望月氏)
そばの具材におすすめな食材は?
「天ぷらそば」がお勧めな理由
そのほか、そばの具材としては食物繊維が豊富な「ワカメ」、糖質の代謝に欠かせないビタミンB群がたっぷりの「なめこ」もいい。
「天ぷらそば」もおいしそうだが、やはり太るだろうか? と望月氏に質問すると「そんなことはありません」という嬉しい答えが。
「そばと油を一緒に取ったほうが、血糖の上昇を抑えると考えられます。例えばサラダで、野菜のみ摂取する場合とドレッシングをかけて食べる場合を比較すると、オイル入りドレッシングをかけたほうが腹持ちが良くなります」
また、目の前の食事だけでなく「次の食事」における血糖値急上昇を防ぐ効果も期待できる。
これをセカンドミール効果という。トロント大学のデビッド・ジェンキンス博士が発表した概念で、最初に取った食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)後の血糖値に影響を及ぼすというもの。だから昼食に天ぷらそばを取り入れれば、その次の食事の血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪に変わりにくいということだ。
とはいえもちろん、油の取りすぎは禁物。天ぷらの具材や切り方、また揚げ方により油の吸収率が大きく変わることを知っておきたい。