筑波大生の生活と性格
全国的に知名度があり、学生の出身地は北海道から沖縄まで幅広い。取り組む学問が多様なだけにいろいろな人間がいる。大小無数のサークルがあり、「サークルごとに学生のキャラがかなり違う」「サークルに入ると筑波大生が意外と多様だったとわかる」とも。
だが、主流派は、他の国立大と同じように保守的なまじめクンたち。特に筑波大生の場合、「遊びより勉強」というタイプが多いかもしれない。もっとも、そうならざるを得ないキャンパス環境なのだけど。
つくばエクスプレスは快適だが、秋葉原までの電車賃だけで往復2420円かかる。そのため、「東京に出かけるのは年に数回。よっぽど気合を入れて買い物にいくときくらい」というのが実情。
TXつくば駅前は、西武百貨店やイオンが閉店するなど衰退の一途をたどっていたが、2021年にはトナリエつくばスクエアがオープンするなど再開発の機運はある。数キロ圏内には、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどもあり、チャリさえあれば買い物には困らない。
つくば駅に隣接する「BiViつくば」、隣駅の研究学園駅前の「イーアスつくば」あたりが筑波大生のお出かけ先。キャンパス内では、平砂学生宿舎北側に完全キャッシュレス化の食品スーパーがオープンした。
生活がキャンパス内で完結していて衆目にさらされていないため、筑波大生のオシャレ感度は低め。「イーアスで服を買うと、1日に2人は同じ服の人と会う」(理工学群生)。特に男子は落差が激しく、女子でも学生寮から上下スウェットのまま授業に出てくる人がいる。「ギャル系の女子もいるけど浮いている。派手な子たちは同じサークルでかたまっている」(社会・国際学群生)。
周りに他の大学がなく、遠くまで出かけなくても生活できる箱庭的環境に身を置いているからか、学外への関心が薄いタイプが目立つ。そのかわり、学生間のつながりは濃い。TX開通で自宅通学者が増えた現在も、下宿率は8割強。
「夜の10時や11時に友達の家に集まって、そのまま朝まで語る」のが筑波大生の遊び方だ。「筑波では夕方以降の時間が標準時間より2時間ばかりズレている。筑波大生は午前2時の時計を見て『日付が変わった』と言う」(理工学群生)。終電を気にする都心の大学生と比べて遅いこの時間感覚を「筑波時間」と呼ぶ。都会のせかせかした雰囲気よりも、のんびりと平和な世界を望むタイプ向きの大学と言えよう。
また、娯楽の少ない筑波大生を言い表す、「3S」という用語がある。3つのSとは、「Study」「Sports」「Sex」。学内でカップルが誕生すると、同棲しやすいといわれていたが、最近ではあまり聞かれなくなった。大学周辺にアパートを借りたり、友人とルームシェアしたりする人は多い。寮に住めば宿舎費は1万5000~3万5000円程度だが、寮を出たところで家賃の相場は3万5000~5万円くらいだ。