お金持ちPhoto:PIXTA

「人生の選択肢を増やす」ために複数拠点を設ける富裕層は少なくありません。では、彼らはどんな観点で移住先を選択しているのでしょうか。また、賢い富裕層ほど大切にしている考え方とは。具体的な移住トレンドを紹介した前編に続き、後編では富裕層の考え方の本質に迫ります。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

暗号資産家が好む移住先
経営者は“シンガポール一択”のワケ

 前回は今、富裕層に人気の移住先についてお話ししました。

 彼らはビザの取得条件、税制面でのメリットや物価、住居費を踏まえたコスパの良さなどで移住先を検討しています。しかし、実際の移住先は、その方の職業や資産の種類、家族構成によっても大きく変わってきます。

 例えば、資産の大部分が暗号資産だという投資家では、ドバイを希望する方が多いです。

 所得税がないなど税制上のメリットが大きいことが魅力です。一方で、生活コストはあまり気にしません。また、暗号資産に投資する人は基本的に新しいものや、エッジの立ったものを好みます。そうした観点からも、ドバイとの相性がいいのです。

 経営者の場合は、どのようなビジネスをやっているかによって異なります。顧客とのやりとりもリモートで完結するような仕事は、場所を選びません。

 それなりに名前が通っている企業で、対外的な信用力が必要だという場合は、シンガポール一択でしょう。ビジネスの拠点としてブランド力があります。