あなたのインターネット上でのすべての行動、すなわち閲覧したすべてのウェブサイトや、すべてのクリックに、あなたの個人情報が自動的にひも付けされるような状況を想像してみてほしい。それは、2019年に国連の通信分野の会議で中国の技術者が提案した「新IP(インターネット・プロトコル)」の背後にある考え方だった。新IPは、現在のオープンなインターネットを、監視や検閲の目的で政府が管理するシステムに置き換えようというものだった。中国は西側諸国政府からの激しい反発に遭い、この提案を棚上げにしたが、この一件は警鐘の役割を果たした。中国はわれわれのデジタル技術の未来を形作る標準規格を支配したいと考えており、この10年間に米国がこの分野から徐々に手を引いたことで生じた空白を埋めようとしている。米国はあまりにも長い間、傍観を続けており、その間に中国政府が新技術のルール作りを担ってきた。
【寄稿】世界の技術規格、米は中国に決めさせるな
中国は新技術の標準規格を決めることでネット上の自由をコントロールしたがっている
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