第2次世界大戦直後以降で欧州における最大の捕虜交換の波は、1人のウクライナ兵がロシア軍将校の遺体のポケットの中に携帯電話を見つけたときに始まった。その端末は、キーウ北西での戦闘で隊員2人を失ったばかりだったウクライナ国防省情報総局(HUR)の副長官、ドミトロ・ウソフ准将の手に渡った。2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まってから3週間しかたっていない頃だ。その携帯電話は兵士の遺体を回収する手段となった。白髪交じりのひげをたくわえた情報専門将校のウソフ氏は、死亡したロシア軍将校の端末の電話帳画面をスクロールし、前線司令官と思われる階級が付いた連絡先の「発信」ボタンを押した。
ロシア・ウクライナ捕虜交換、秘密の連絡経路
和平交渉が難航する中、両国は1万人以上の兵士を交換してきた
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