ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって、2015年以来となる訪米はこれ以上ない展開となった。プーチン氏は米軍基地のレッドカーペットの上を闊歩(かっぽ)し、ドナルド・トランプ米大統領と笑顔で写真に収まった。会談場所の両氏の背景には「和平追求」と書かれていた。3時間半後、両首脳は合意に至らなかったと話した。代わりにプーチン氏は、ウクライナに関する要求を主張する場としてその場を利用した。プーチン氏はトランプ氏との首脳会談を実現させ、勝利を収めた。冷戦後の世界秩序を解体し、ロシアを米国と同等の大国の地位に復活させることを自身の遺産にしようとしている。「プーチン氏はまさに望んでいたものを手に入れた。トランプ氏との関係を維持し、追加制裁を回避し、戦争継続のお墨付きを得た」。モスクワを拠点とする政治アナリストで、独立系ロシア語誌「New Times」のコラムニストであるアンドレイ・コレスニコフ氏はこう指摘する。
プーチン氏の「勝利」に終わった米ロ首脳会談
米国と肩を並べるなど、望んでいたものを手に入れた
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