ニューラルネットワーク(人間の脳をヒントに情報処理を行う仕組み)は人工知能(AI)における唯一のモデルではないが、2022年の生成AIチャットボット「チャットGPT」の登場以来の好調な流れを見れば、そう考えてしまうのも無理はない。発表当時は衝撃的で、今でも目を見張るようなこのモデルの能力は、資金調達や投資、開発の急増を引き起こし、ニューラルネットワークの代替手法である「記号(シンボリック)推論」を大きくしのいだ。記号推論は、ニューラルネットワークの統計的・データ駆動型のプロセスとは異なり、コードで表現できる問題を論理と記号を使って解決する。しかし、開発者らがニューラルネットワークの得意分野を超えてAIを進化させようとする中、「ニューロシンボリックAI」と呼ばれるハイブリッドのアプローチが、米アマゾン・ドット・コムをはじめとする一部の企業の注目を集めている。