今回の主役、メルセデスAMG GT63 S Eパフォーマンスクーペに話を進めよう。
このモデルは昨年モデルチェンジしたGT63のハイパフォーマンス版として今年2月日本で発表された。特徴は“Eパフォーマンス”のネーミングからも察せられるように、リアアクスルに電気モーターを取り付けリチウムイオンバッテリーを積んでいること。GTシリーズ初のプラグインハイブリッドというのが、その正体だ。パワーソースの中心はM177型の4L・V8ツインターボで、その最高出力は612ps、最大トルクは850Nmを発揮する。そしてモーターを組み合わせシステム総合スペックは最高出力816ps、最大トルク1420Nm。トルクはあまり見かけない4桁に達する。
F1技術で圧巻のパフォーマンスを実現
その加速はまさにワープ感覚。シビレる!
注目したいのは、AMGハイパフォーマンスバッテリー。F1チームからフィードバックされた技術で、バッテリー自体が軽量であり、高出力を繰り返し発生できる能力を持っている。バッテリーの温度上昇を抑える直接冷却方式もその一部だ。
実際に走らせた印象はというと、とにかく速い。アイドリングからアクセルを踏み込んだ瞬間に立ち上がるトルクは太く、フツーにアクセルを踏んでいくだけで思った以上にグイグイ加速していく。いつもより早めにアクセルを抜かないとずっと向こうにあった赤信号がすぐ目の前に現れる。そんな感じだ。高速道路で追い越し加速を試そうものなら一気にスピードメーターが上がってしまうから注意が必要である。
よって、ドライブモードはコンフォートをお勧めする。ときとしてスポーツ+で楽しむのもいいが、長くは禁物だ。モードは全部で8タイプ。エレクトリックではEV走行が可能だし、バッテリーホールドで電気をためることもできる。深夜住宅街にご帰還するときは、これが有効だろう。ちなみに、EV走行可能距離は約13kmになる。