乗り心地はスタイリングのイメージよりずっといい。とくにコンフォートで走っているとスパルタンな部分はない。これはAMGアクティブライドコントロールサスペンションの効果で、電子制御ダンパーと可変スタビライザーが精緻に働いているからだ。ダンパーは伸び側と縮み側の減衰圧を独立して制御してくれるし、スタビの設定は1秒間に100回の分析で可変する。
リアアクスルステアリングに加えて
2つの便利装備
コーナリング性能はリアアクスルステアリングが気持ちよく働く。時速100km/h以下で逆位相、それ以上で同位相でリアタイヤが操舵する。連続するワインディングではかなりのタイトコーナーもクルッと軽快に向きを変えるから気持ちがいい。それに駐車は楽だし、高速走行の車線変更も安定する。
この他で実用的に思える装備は2つある。ひとつはオプション(26.2万円)の可倒式リアシートで、これをたたむとハッチバックを効率的に活用できる。ゴルフバッグが積める。
そしてもうひとつはフロントアクスルリフトシステム。フロントを最大30mm上昇させることで、段差をクリアする。ホテルの地下駐車場へ通じるスロープや、コンビニに入るために横切る歩道の段差をクリアする際に役立つ。スーパーカー系の必須アイテムだ。
つまりこいつはスーパーカー。すべてにおいて“スーパー”な仕上がりになっている。で、価格は3000万円少々だから、イタリアのスーパーカーと比べるとやはりアフォーダブルといえる。
(CAR and DRIVER編集部 報告/九島辰也 写真/横田康志朗)