公園で拾った手帳が“最高の教科書”だった…伝説の投資家が70年かけて見出した「個人投資家のための成功法則」
投資歴70年 資産24億円――【プロの儲かる知識を簡単インストール】人生、もう詰んだ……40歳、しがないサラリーマン。月1万5000円の小遣いを握りしめ、毎日通勤する日々だ。増えない給料、重くのしかかる住宅ローンと教育費。冷え切った家庭に、もはや自分の居場所はない。そんな人生のどん底の状況で拾った、1冊の古びた手帳。それが投資歴70年、資産24億円を築いた89歳現役トレーダー・シゲルさんとの奇跡的な出会いだった。お金、仕事、家庭……すべてに絶望した崖っぷちの男が“投資の神様”から授かった「世界一のお金と人生の授業」とは?“小説形式”だからスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。答えはすべて、この物語にある。
写真:川瀬典子
ポケットの中の忘れ物
公園で拾った1冊の手帳の存在を思い出したのは、自宅に着いて、夕飯を食べ、娘の宿題を見て、風呂に入っているときだった。
「……しまった。持って帰ってきてしまった」
ただの手帳。だけど、もしかしたら持ち主にとっては、大切なものかもしれない。とはいえ、警察に届けるほどのものにも思えない。
夜明け前の密かな計画
明日は休みだ。朝のうちにこっそり戻してしまえば、きっと大丈夫――。
そうして翌朝7時。僕は「散歩してくる」とだけ家族に伝えて、公園に向かった。
人影はまばら。昨日と同じベンチに腰を下ろし、そっと手帳をとり出す。
突然の邂逅
そのときだった。
「それ、君が持ってたんか!」
驚いて顔を上げると、目の前に杖をついた老人が立っていた。
「これは……昨日、ここで拾ったんです。うっかり持ち帰ってしまって。すみません」
正直に頭を下げると、老人はにこりと笑った。
雨上がりの安堵と、核心を突く問い
「ええんや、ええんや。大事にしてくれて助かった。今朝方、雨が降ったやろ? ビショ濡れになってたら、もうあかんと思ってたとこや。君が拾ってくれて、ほんまにラッキーやわ。……ところで、中身を見たか?」
突然の問いかけに、僕は一瞬、言葉に詰まった。なにが“正解”かわからない。でも、正直に言うことにした。
「ええと……パラパラとめくった程度です。中身は全然わからなくて」
すると老人は、いたずらっぽく目を細めた。
「なるほどな。――君、株やってへんやろ?」
運命が動き出す予感
まさか、このじいさんが僕の運命を変える存在になろうとは、このときは1ミリたりとも思わなかった。



