「賢い人」が95%負ける実験で判明した…株式投資で勝つ人との決定的な差
テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになったことがきっかけで、19歳のとき、4つの銘柄を買ったのが株式投資の始まりだった。バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで激減。しかしあれから70年、89歳になった今、資産は24億円以上に増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。“小説形式”だからスラスラ読めて、プロの儲かる知識がドンドンわかる待望の続編は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)。
写真:川瀬典子
多くの投資家は退場していく
投資家仲間の顔ぶれは変わりやすいものです。いま私は、ほかの投資家仲間と会うことはほとんどありませんが、かつては証券会社などで投資家仲間と顔を合わせることもしばしばありました。
しかし、その顔触れは、結構な頻度で変わっていくものでした。「そういえばあの人、最近、見なくなったな」と思うことは、決して珍しくなかったのです。
利益を出せる投資家はごく少数です
2022年に金融庁が発表した報告書によると、投資信託などを購入した顧客のうち、2020年3月時点の損益がプラスになっている人は30%程度なのだそうです。ということは、70%程度の人が、損益がマイナスの状態だということですね。
一方、デイトレーダーとして生き残る割合は、「10%程度」だといわれます。これだけ見ると、夢のない数字に思えるかもしれません。
株式投資は「楽しい」けれど「ラク」ではありません
私に言わせれば、株は楽しいです。それは間違いありません。でも決して、ラクなものではありません。私は70年間株式投資をして、毎日記録をつけ、反省しているわけですが、それでも読み間違えます。
トータルとして勝っているだけで、思ったとおりにいかないなんてことはザラにあります。
有利なはずのゲームでも負けてしまう「ラルフ・ビンスの実験」
このことに関連する「ラルフ・ビンスの実験」というものがあります。プログラマーのラルフ・ビンスは、博士号を持つ40人にゲームをしてもらいました。
そのゲームのルールは次のとおりです。
② 当たりが出れば賭け金は2倍、ハズレが出たら賭け金は没収
③ 元手1000ドルで、1回に賭ける金額は自由
④ ゲームを100回繰り返す
6本当たりが入っているわけですから、プレイヤー側に有利な賭けといえます。毎回100ドルかけたとすると、勝ち60回でプラス6000ドル、負け4000ドルとなり、理論上は手持ち資産が3000ドルになるはずです。



