“日本で評価が高い事例紹介が海外で受けない”をAIが解決
全社的なAI活用を見てきたが、既存業務にAIを組み込むことで効果を最大化するにはどうすればいいのだろうか。
AIを導入しても期待した効果を得られない理由の一つが、いきなりAIを導入し、「とりあえず使ってみて」と現場に丸投げしてしまうことにある。
アクセンチュアが2022年に開始した自社のマーケティング部門の変革では、急成長に伴う重複作業の増加、アンバランスな人員配置、コスト増といった課題が顕在化する中、AI導入の前に徹底した現状分析を行った。マーケティング・コミュニケーション本部 シニア・マネジャーの長谷川治史氏に成功の要因を聞いた。

【第1段階:全体の見える化】
長谷川氏は、「AIを導入する前に、現状の業務プロセスを把握し、非効率の要因を特定することが不可欠」と語る。まず「SynOps」というプラットフォームで、グローバルの全マーケティング活動を一元管理し、業務の全体像と重複箇所を可視化。これをもとに断捨離してリソースを最適化したという。6週間で作業重複は20%減少、提携代理店も150社から30社に集約された。
【第2段階:共通業務にAIを導入】
第1段階の可視化によって重要な発見があった。マーケターの業務は、論考の執筆から動画制作、SNS投稿まで多岐にわたる。しかし、共通する業務として「調査」「コンテンツ作成」「データ分析」の3つがあることが分かった。この共通業務に、AIライティングツール「Writer」を導入し、全体の生産性向上を果たした。
長谷川氏は、「AIを導入する前に、現状の業務プロセスを把握し、非効率の要因を特定することが不可欠」と語る。まず「SynOps」というプラットフォームで、グローバルの全マーケティング活動を一元管理し、業務の全体像と重複箇所を可視化。これをもとに断捨離してリソースを最適化したという。6週間で作業重複は20%減少、提携代理店も150社から30社に集約された。
【第2段階:共通業務にAIを導入】
第1段階の可視化によって重要な発見があった。マーケターの業務は、論考の執筆から動画制作、SNS投稿まで多岐にわたる。しかし、共通する業務として「調査」「コンテンツ作成」「データ分析」の3つがあることが分かった。この共通業務に、AIライティングツール「Writer」を導入し、全体の生産性向上を果たした。
長谷川氏が実感している最大の効果は、日本からグローバルに事例紹介がしやすくなったことだという。日本は細かなプロセスを重視する傾向にあるが、海外では冒頭で数字や成果を示すことを好む。この“何が刺さるか”の違いが、情報発信の足かせになっていた。
AIライター「Writer」はこうした文化の違いを踏まえ、海外のメンバーが好む紹介文に自動変換してくれる。長谷川氏が最近手がけたケースでは、文章構成から文体までAIに依頼し、生成された”こなれた文章”をそのままグローバルに展開したという。
コーポレートサイト運営をAIでブラッシュアップ
並行して、コーポレートサイト運営の高度化も図られた。Adobeと連携し、各国の13万を超えるコンテンツ資産を一元管理するシステムを構築。これにより、年間25万ドルのコストを削減し、1ページあたりの制作時間を40分短縮した。