辻元 政治家の妻って、職業だよね、もう。
野田 そう、職業!スーパー秘書みたい。あの代議士はいいから、奥さんが来てって。
辻元 身の回りのこともやるし、地元の会合とか全部こなすみたいな。だからダブルトラックでこう来るけど。私はねシングルトラック。それでも、聖子ちゃんの夫は腹が据わってると思う。男でね、政治家の夫をやりますっていうのは、なかなかいないって。
野田 嘘ついたの、私。ほら、自民党に追い出されて(注1)、なんかさまよっていたときがあったでしょう。追い出されたときは、前の夫と結婚していたときで。やっぱり悲しさから、心が離れて、お別れして、私は、もうこれからひとりで辻元清美のように生きていくんだ、なんて思ったけど、たまたま出会っちゃって。
それで付き合い始めて。一度結婚って形を取ったから、もう結婚式もしないし、子どももできないし、それでもいいの?みたいな。本当に大人の関係で、事実婚みたいに生きていきましょうって。それで旅行とか一緒に行ったりして。で、なんでかな?私、そのとき50歳で政治家辞めるって言っちゃったのね。
辻元 それで、だましたの?
野田 だましたのよ。なんでかって言うと、自民党内で仲間外れにされて、こんな鈍感な私ですら自民党で嫌われている感を感じていて、もうバカバカしくなっちゃって。もう政治家辞める、辞めようと思って、今の夫にお気楽にも「私、辞めるからどう?」っていう感じで迫ったの。
このまま順風満帆な結婚生活を
営んでいくと思ったが……
辻元 でもさ、あの頃、聖子ちゃんは、すごくうれしそうだったよ。「彼が大阪で焼肉屋さんをしていて、イタリアンレストランもしているから、来ない?」とか言って。
野田 そうそう。
辻元 それで、東京で店を出したからって行ったんだよ、私ら。
野田 朱蒙っていう名前の店、六本木で。蓮ちゃんも来たし、林久美子さん(注2)も来てくれたし。
辻元 みんなに見せびらかして、「いいでしょ、いいでしょ」ってさ。
野田 そうそう(笑)。
(注2)林久美子。1972年生まれ。民主党→民進党・元参議院議員。現在はコメンテーターとして活躍。