政治家として第一線で働きながら、結婚して家庭も築いた野田聖子。一方、おひとりさまで帰宅しても冷蔵庫が空っぽの「望まぬシングル」となった辻元清美。女性として正反対の道を歩んできた2人が、政治家と結婚、そして女の生き方について語り合った。「だまして結婚したのよ」と笑う野田と、「私はずっとひとり」と嘆く辻元の本音とは?※本稿は、野田聖子、辻元清美『女性議員は「変な女」なのか 私たちの議員生活30年』の一部を抜粋・編集したものです。

ひとりで風呂掃除をしながら
「ちくしょう」とつぶやいた夜

辻元清美Photo:野口博(フラワーズ)

辻元清美(以下、辻元) この仕事、やっぱり選挙がきついわけですよね。公人だから、お金の出し入れから何から何までずさんにできないし、常に緊張して生きていると思うのよね。普段は国会質問とかやって、ひとりでフラフラになって宿舎に帰るじゃない。そうしたらどっと疲れてさ、冷蔵庫を開けても何もないみたいな。

野田聖子(以下、野田) ね、やばいでしょ。

辻元 やばい。

野田 いや、みなさん同じ風に思わないでね。私の冷蔵庫は、いろいろなものが入っている(笑)。

辻元 それで、風呂掃除をしながら、「ちくしょう」とかって言って。パートナーがいたら、こういうときに、ご飯もあって風呂も沸かしてくれてるんだろうな。私はなんでひとりで、なんでもしなきゃいけないのって……。ああ、明日もまた早い……とか思うわけです。

野田 うちの夫は何でもやってくれるけど、その代償もあるよ。喧嘩もあるし。

辻元 確かに。

野田 買いたいものを買わしてもらえんし。

辻元 そうなの?

野田 だから、どっちもね、いいところと悪いところがあるから。

辻元 そっか、そうだよね……。