「パンツを見せろ」「触られるのが当たり前」――超男性社会である政治の世界で、30年以上に渡り女性議員として戦い続けてきた野田聖子と辻元清美。2人が直面してきたのは、セクハラ、票ハラ、育児との両立の問題など、女性ゆえに突きつけられる理不尽の数々だ。政治の現場に今なお続くハラスメントの実態について、2人が語り合う。※本稿は、野田聖子、辻元清美『女性議員は「変な女」なのか 私たちの議員生活30年』の一部を抜粋・編集したものです。
セクハラを乗り越えないと
議員になれない

辻元清美(以下、辻元) 地方議会議員に立候補したいっていう人が、途中で取りやめることもあるんですよね。その大きな理由のひとつが、残念ながらセクハラ(セクシャル・ハラスメント)。
候補者になったけれども、どうしても周りに男性が多い世界なので、会合なんかでセクハラまがいのことをされるとか、ストーカーのように家まで追いかけられるとか。それで、もう「やっぱりできません」って。
野田聖子(以下、野田) 清美ちゃんは、なかった?
辻元 ……私はなかった。
野田 私、すごかったよ。
辻元 体験を聞かせてもらってもいいかな。
野田 セクハラっていう言葉がない時代だったので、26歳の岐阜県議会議員のときから、29歳で衆議院議員選挙に落選して、32歳で当選するまでは、もうセクハラという儀式を乗り越えないと議員になれないんだぐらい、日常的に遭ってた。
夜、会合に行くと、男の人から触ってくるし、パンツ見せろとか、実態はそんなのよ。
辻元 それ、どうやって切り抜けていたの?