投資初心者がやりがちな「狼狽売り」の恐怖…投資歴70年のプロが教える“絶対NGな行動”
テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになったことがきっかけで、19歳のとき、4つの銘柄を買ったのが株式投資の始まりだった。バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで激減。しかしあれから70年、89歳になった今、資産は24億円以上に増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。“小説形式”だからスラスラ読めて、プロの儲かる知識がドンドンわかる待望の続編は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)。
写真:川瀬典子
70年の経験が紡ぐ、相場の未来図
私は2022年の時点で、「2023年には日経平均は3万円台を突破するだろう」と確信していました。3月にも突破するのではと思っていましたが、少し遅れましたね。
70年近くも株をやっていれば、経済の動きはなんとなく読めます。
バブルではない、実力に見合った日本株
少なくともしばらくは、この勢いは続くだろうと思います。かつてのバブル期は資金が余っていたので、どの株も企業の実力以上に買われました。振り返ってみれば、異常な状態だったと思います。
ただ、いまの日本株は買われすぎだとは思いません。企業の実力に見合った買いが入っているだけですよ。それに、日経平均が30年ぶりの水準になったといっても、ようやくもとに戻っただけです。
世界と比べれば、日本はまだ発展途上
ほかの国を見てごらんなさい。もっと成長しています。日本、そして日本人は、もっとがんばらないとダメだと思いますね。そのポテンシャルはあるはずです。
指数だけでは見えない、市場のリアル
まぁ、2023年のときに上がった株は、ほとんどは外国人が好みそうな大型銘柄なので、グロース株ではあまり恩恵を受けていないんですけどね。
そもそも「日経平均株価」とは、プライム市場の有力な225銘柄しか入っていないわけですから、日本企業全体の実態を表しているとはとてもいえません。
ダウを鏡に、自らを鼓舞する日々
私は毎日、自分の資産額をダウ平均株価で割って、自分のパフォーマンスを計算しています。調子のいいときは60台後半の数字を出していましたが、いまは40台後半から50台前半の数字。つまり、ダウに対するパフォーマンスとしては落ちています。
もっとがんばらなければいけないと奮起しています。
臆することはない、まずは一歩から
株式投資と聞くと、多くの人は「専門知識が必要で難しい」「まとまったお金がないと始められない」と尻込みしてしまうかもしれません。
しかし、70年この世界に身を置いてきた私から言わせれば、そんなことはありません。大切なのは、まず一歩を踏み出す勇気です。
最初は、自分が毎日使っている製品や、応援したいサービスを提供している会社から調べてみてはどうでしょう。例えば、好きな食品メーカーや、よく利用する鉄道会社など、身近な企業でいいのです。
その会社の株価がなぜ上がったり下がったりするのかを考えることが、経済の動きを肌で感じる最高の学びになります。
「感情」を制する者が市場を制す
投資で最も難しいのは、自分自身の感情をコントロールすることです。
市場が急落すると、多くの人は恐怖にかられて持ち株を売ってしまいます。これを「狼狽(ろうばい)売り」といいますが、後から振り返れば、そこが絶好の買い場だったということは少なくありません。
周りの喧騒に惑わされず、自分が信じた企業の価値を冷静に見つめ続ける。短期的な値動きに一喜憂せず、長期的な視点でじっくりと構える。
この鉄則を守れるかどうかで、将来の資産には大きな差が生まれるでしょう。
学び続ける姿勢を忘れない
70年やっていても、私はいまだに毎日が勉強です。新聞を隅々まで読み、世界のニュースにアンテナを張り巡らせています。市場は常に変化し、新しい技術や価値観が生まれてくるからです。
これから投資を始める皆さんも、学び続ける姿勢をどうか忘れないでください。
本やニュースから知識を得て、自分なりの投資哲学を築き上げていく。その地道な努力こそが、不確実な未来を乗り切るための、何よりの羅針盤となるはずです。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。












