社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

自信がない人ほど、知っておきたい“見えない価値”の話Photo: Adobe Stock

違う環境を経験することで「自己認識」が変わることがある

「やりたいこと」がない人が、自分の道が自然に見えてくるようになるための最初のステップとして本書では、「世界を広げて『強みの種』に刺激を与える」ことを提案しています。

実は、世界を広げる中で、全く違う環境を経験することで、自己認識が変わることがあります。

社内で一番ITに弱い人から、社内で一番ITに詳しい人へ!

例えば、私は7回転職をしているのですが、IT企業の経理で働いていたときには、オンライン会議ツールの使い方などを同僚に一から教えてもらわないとできない「社内で一番IT知識のない人」でした。

ところが、その後、IT化が進んでいない業界に転職したら、自らメールの設定ができるという理由で“ITに詳しい人”認定を受け、エクセルの使い方からウイルスメールの対応まで次々に持ち込まれたことがあります。

このように、ある環境では「誰でもできる」と思われていることが、別の環境では特別なスキルとして認識されることがあります。

新しい環境に踏み出すと、自分ではたいしたことないと思っていた能力でも、それを必要とする人がいることに気づくのです。

*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。