ピーター・ドラッカー先生は、「成果」と「結果・実績」の違いを述べています。「成果」とは、外部に貢献することです。良い商品を開発する、それをきちんとお客さまに提案するなどです。

 営業マンの成績は数字として表れますが、それはあくまでもその成果がもたらす結果に過ぎません。本当に大切なのは、その数字のもととなる「成果」つまり、「お客さまへの貢献」や「お客さまの満足度」です。

 数字を追うあまり、無理やり商品を押し込もうとしたり、不要なものを買わせたりする営業がいます。しかし、そんなやり方では、長期的な信頼関係は築けません。

 お客さまが求めているのは「QPS(クオリティ〈品質〉、プライス〈価格〉、サービス)」です。適正な価格で、納得できる商品やサービスが提供されること。それが満たされてはじめて、数字という形で成果が表れるのです。

「数字」だけを見るのではなく、「お客さまに満足を届けた結果としての数字」という考え方を、営業パーソンにも、マネジャーにも浸透させることが大切です。

 私の人生の師である曹洞宗円福寺の故・藤本幸邦老師は、「お金を追うな、仕事を追え」と説いていました。これはまさに、営業という仕事だけでなく全ての仕事に通じる言葉です。

 目の前の数字にとらわれすぎず、お客さまのために何ができるかを考える風土づくりが、最終的には持続的な成果につながっていきます。