これは国土交通省なのか経産省なのかはわかりませんが、ひとことで言えば日本車よりも便利になってはいけないという政策の現れでしょう。私はトヨタからいいEVが出たらテスラの次はトヨタに買い替えようと思っています。

 さて、自動運転についてはテスラが興味深いファクトを公開しています。アメリカの統計によれば一般の車は平均して113万kmごとに1件の衝突事故を起こしているそうです。一方でテスラのオートパイロットをオンにした車の場合は、衝突事故は1077万kmごとに1件と大幅に減っています。統計上はテスラのオートパイロットなら現在の技術でも交通事故は10分の1に減るのです。

 近い将来、アメリカと中国で自動運転が実用化されたときに、このことを社会はどう判断するのでしょうか?日本ではここ数年の年間の交通事故死者数は2600人ほどです。それが一桁少ない人数に減る未来が来たとします。

 でも自動運転車は260人の交通事故死を起こすかもしれません。高い確率でそうなるでしょう。そのときに自動運転を禁止すべきか?それとも容認すべきか?行政は判断を迫られる時期がやってきます。

 私の予測ですが、日本は260人よりも2600人を選ぶでしょう。有名なトロッコ問題と同じです。一方で訴訟社会のアメリカは微妙です。そして中国は迷わず交通事故死が10分の1に減る未来を選択するはずです。

 イーロン・マスクが自動運転を急ぐのはまさにこの点でしょう。イーロンにとって日本はどうでもよく、結局のところテスラが中国に置いていかれてしまうのだけはなんとしても避けたいのです。アメリカでもテスラのロボタクシーはまだ危ないと評価されています。だからこそ全世界でテスラは自動運転の実証実験を敢行するのです。