偏差値=高学歴じゃない時代?

――こういった「どこまでが高学歴なのか」みたいな議論はなぜ起こるのでしょうか。

びーやま:社会がそういう空気をつくっているからだと思います。

「高学歴のボーダーラインはここです!」みたいなのって、別に誰かが決めたわけでもなく、なんとなく社会に根付いてしまっていますよね。なので、議論が尽きないむずかしい問題なんだろうなと。

 しかも、そのほとんどは新卒採用の学歴フィルターによってつくられていて、偏差値や研究実績などとは少し離れていますから、たびたび議論になるんだと思います。

 よく聞くのは理系だとMARCHより上の大学はあるのに評価されないのはおかしいみたいな話なんですが、これも誰かが決めているわけではなく、なんとなく社会がそうなっているだけだからこそ複雑なんだろうなと。

 とはいえ、時間をかけて序列の変化は起きるものなので、なんだかんだ適正な気もしますが。

――たしかに「高学歴議論」は誰が言い出したものではないですよね。

びーやま:そうなんです。

 なので、このことについて僕なりに考えると、今の時代の「高学歴」って、単純に偏差値のことを指しているのではなく「社会での影響力の大きさ」も含んでいるんじゃないかなと。

 頭がいいから高学歴なんじゃなくて、頭がよくて、社会での影響力も大きい大学卒だから高学歴みたいなイメージです。

 そう考えると、基礎学力の高い地方国公立大学の学生よりも知名度のあるMARCHの学生のほうが就活が有利みたいな現象に説明がつくんですよね。

 早慶のようにOB・OGが強い大学はそのまま社会での影響力も大きいですから、高学歴感も増すというか。

――なるほど。非常に納得できます。

びーやま:なので、受験生には、こういったロジックを知ったうえで大学を選んでほしいと思います。それは影響力のある大学に行けという意味ではまったくなくて、そういう世界もあると理解してからいきたい大学に行ってほしいということです。

 そうすれば、自分の評価と社会の評価にズレがあっても焦らないですからね。

 間違ってほしくないのは、こんな価値観の時代でも「いきたい大学に行くこと」は正義ですから、そこはブレないでほしいです。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。