フォルクスワーゲン・ID.BuzzVW・ID. Buzz Photo by Koujirou Yokota

日本では、8年お待たせ
フォルクスワーゲンの“ID. Buzz”

 6月20日、多くの人が心待ちにしていたフォルクスワーゲン(以下VW)の“ID. Buzz”が、いよいよジャパンプレミアを迎えた。

 見てのとおり往年の“タイプ2”のヘリテージを継承した“現代版ワーゲンバス”である。そして日本国内で唯一の電動ミニバンだ。

 価格は888万9000~997万9000円。VWとしてはプレミアムだ。とはいえ、現地価格を日本円に換算すると下限が1000万円を超えてもおかしくない。それをだいぶ下回る値付けでデビューしたのは英断である。

 ID.Buzzの原型となるコンセプトカーが初めて公開された2017年のデトロイトショーだった。筆者も取材に行っていたが、展示車を見て非常に興味を持ち、そう遠くないうちに市販されると聞いて胸が躍った。こんなにユニークで楽しいデザインのクルマが街を走ってくれるなんて、考えただけでワクワクする……と思っていたら、ずいぶん待たされた。

 ID.Buzzの市販モデルは、2022年3月にドイツで発表され、5月に欧州で予約販売がスタート。6月からVWの商用車部門のハノーバー工場で生産が開始された。

 その情報をキャッチして、もう少し待てば日本にも入ってくると期待した。だが関係者に聞いてもなかなか芳しい返答が得られず、いろいろ事情があったらしき話も耳にした。気がつけば日本発売はコンセプトカー発表から8年あまりも時間が経過している。

 こんなに待つとは思いもしなかった。だが、なにはともあれ正式に発売されたことを心から歓迎したい。

フォルクスワーゲン・ID.Buzz日本仕様はProグレードのLWB(写真左/997万9000円/定員7名)と標準(写真右/888万9000円/定員6名)の2種。LWBのボディサイズは4965×1985×1925mm。全長は標準比250mm長い