写真はイメージです Photo:PIXTA
社会に出ると、
「あの上司では私の能力を活かせません」
学歴で上司を見下す部下、どう接すれば?
▼事例:「あの上司では私の能力を活かせません」――他責傾向の強い部下
学校を卒業していざ社会に出てみると、現実の仕事は学生時代に思い描いていたようなものではなかったというのは、よくある悩みのひとつです。多くの人は悩みながらも、仕事や職場に慣れていくうちに、自分なりのやりがいを見出したり組織に愛着を持ったりして、健全な気持ちで理想と現実のギャップを埋めていきます。
しかし、自分が理想とする仕事とは程遠い現実を受け入れられず、仕事のときだけうつ病のような症状が出てしまう人もいます。このような部下に対して、上司はどのように関わればよいのでしょうか。
杉田さん(仮名、男性40代)は、広報部門で8名ほどのメンバーを取りまとめているリーダーです。そのなかの一人に、入社して2年目になったばかりの社員Qさん(女性20代)がいます。彼女は、学生時代から学祭やミスコンなどを企画する広報研究会に所属していたこともあり、就職活動を始める前から広報の経験を活かせる企業に入ろうと決めていました。
彼女が入社した今の会社は食品メーカーでしたが、彼女の強い希望が通って、夢であった広報部への配属が決まりました。最初は張り切っていたQさんでしたが、入社して半年ほど経った頃から、見るからに元気がなくなっていきました。
杉田さんは、上司としてそんなQさんのことを心配していました。しかし、彼女は職場では元気がないものの、仕事終わりや休日に食事会やスポーツ、旅行などを仲間と楽しんでいる様子を、SNSに頻繁に投稿していました。そのため、しばらく様子を見ることにしていたのですが、次第にQさんの遅刻が多くなってきたため、彼女と面談をしたということです。
Qさんに仕事について思っていることなど率直に話してもらったところ、「今の仕事は入社前に思い描いていた内容とは違っていて、これでは私のスキルを活かせないと思います」と言われました。Qさんの考えていた広報の仕事は、いわば企業の「顔」として情報を発信することです。
SNSを駆使して最新の情報を伝えたり、新商品のプレスリリースを作成・配信したり、イベント情報を報道機関に伝えて取材の調整をしたりすることでした。このような広報の仕事もたしかにありますが、かなり高度なスキルが要るため、杉田さんや部内のベテラン社員が担当していました。







