笑顔で作ったツキは
やがて自分に返ってくる

 人には「ミラーニューロン」という脳神経細胞のはたらきで、相手の表情を反射的に自らの脳裏に写し取ってしまう能力があります。

 新生児の共鳴動作というのがあり、なんと生まれて3時間の赤ちゃんでも、目の前の人間の口腔(こうくう)周辺の筋肉の動きをまねる能力があるのです。

 これは、脳が反射的に表情を写し取れるからできること。それは、大人になっても残っていて、目の前の人間が満面の笑みになれば、つられて笑顔になってしまうでしょう?

 実は、脳はもっと微細に、相手の表情を無意識のうちに感じ取っているのです。

 そして、大事なことは、感情は表情をつくるけれど、表情もまた感情をフィードバックしてしまうということ。つまり、嬉しくなくても、嬉しい表情筋をつくれば、気持ちがなんとなく華やいでくるものなのです。

 ということは、嬉しい表情をしている人は、その表情筋を周囲に写し取らせ、嬉しい気分を起こしやすくしているということ。

 嬉しい表情の人の周りでは、人々が前向きになるので、ことがうまく運びやすい。結果として、「運がいい人」といわれることになるわけですね。

書影『運のトリセツ』『運のトリセツ』(黒川伊保子、扶桑社)

 逆にいえば、口角の下がった沈んだ表情の人は、周囲の人々のやる気をそいで、ことがうまくいきにくくなることに。不安な表情の人、不満な表情の人は、不安の信号、不満の信号を、目の前の人の脳に誘発します。

 不安な顔でいると、周囲もあなたに対して不安になり、信頼を失います。不満顔で、誰かに不満を表明しても、相手も不満だから聞いてもらえません。

 あらゆることに好奇心を持ち、そこにいることを楽しむこと。あらゆることに、が無理でも、基本、好奇心を感じることを続けていくこと。すると、「好奇心にあふれた、嬉しげな表情」をしやすくなり、人に会うときも、自然にその表情筋を使うことになります。それは、言葉や態度よりも多大なる力を秘めていて、奇跡を起こします。

 その習慣をつけてしまえば、人生の勝ち組に入ったも同然なのです。