
ヒットは偶然ではない。数々のベストセラー本を手掛けてきた書籍PR担当者がたどり着いたのは、「人がモノを買うとき、胸の中で“3つのスイッチ”が光っている」という発見だった。モノが理屈で売れるようになる、そのスイッチとは?※本稿は、黒田 剛『非効率思考 相手の心を動かす最高の伝え方』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
テレビで紹介されただけでは
モノが売れないのは当たり前
こういう現象がよくある。テレビに出たのに、本が動かない(売れない)。一方でラジオで紹介されたら、すごく動いた(売れた)。
この現象は、いったいどういうことなのだろう、と考えて思い出したのが、「人の行動には3つのきっかけが必要」という話だ。
そこから僕がイメージしたのは、こんな風景だ。
世の中の人みんなが、それぞれの胸にウルトラマンみたいなランプを3つずつ持っているのだ。
たとえば、エクササイズ本がテレビのゴールデンタイムのダイエット番組で紹介されるとする。テレビを見ているみんなの胸のランプがバーッと無数に光る。
それでも、みんなのランプはまだ、それぞれ1つずつしか点灯していない。
翌朝、出勤中、電車でスマホを見ていると、そのエクササイズを取り上げたネットニュースが流れてくる。
ここで、ランプ2つ目が点灯する。
ここでも人は、まだ買わない。気になるけれど、買うまではいかない。
週末、家族でドライブ。車内でかかっているラジオ番組にこの本の著者がゲスト出演し、話している。
妻「この人、いいこと言うね!」
夫「そういえばこの間ネットで見て、このエクササイズ、気になってたんだよね。この本、あとで買いに行こう!」
ここでやっとランプ3つ目が点灯する。コンプリートだ。