うわ、3つめ言っちゃってたかも…「気づいたら若手が離れていく人」が無意識に使いがちな〈NGワード〉とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

人手不足の昨今、若手社員の離職は組織を悩ませる重大な問題だ。特に大企業では、若手の離職率が高まっている。「安定した会社」を求めているはずなのに、若手が定着しない要因とは何か。その鍵を握るのが上司だ。若手が辞めていく会社の上司にある問題点とは。(株式会社カイラボ代表取締役 井上洋市朗)

「安定した会社に就職したい」
それでも大企業を若手が辞めるワケ

 給料は高い。残業時間は少ない。パワハラやセクハラがあるわけでもない――。そんな会社から若手が辞めています。

 最近の若手はすぐ辞めるといわれますが、厚生労働省のデータでは新卒3年以内の離職率は2000年卒~05年卒の頃の方が高く、決して今の若者がすぐ辞めるわけではありません(下図参照)。ただし、従業員1000人以上事業所(以下、大企業)に限ると様相が異なります。

 大企業における21年卒の3年以内離職率は28.2%で過去最大です。つまり、大企業に限れば「今の若者は昔よりもすぐ辞める」は事実です。

 こんなデータもあります。

 マイナビの調査では、26年卒予定就活生の「企業選びの基準」では「安定している会社」が7年連続の1位。初めて得票率50%を超えました。一方、かつては常に1位だった「自分のやりたい仕事(職種)ができる」は年々得票率を下げています。

 ここで一つの疑問が浮かびます。

 安定している会社を希望している人が多いにもかかわらず、若手の離職率は大企業だけ過去最大です。一般的には大企業の方が安定しているイメージは強いはず。なぜ、こんなことが起きるのでしょうか?