数十億ドルの現金を塩漬けしたまま、世界が崩壊するのをじっと待つ。これは、世界各地の資金運用担当者とまったく相容れない投資戦略と言える。
しかし、10年くらいの周期で、金融界が崩壊して株が全面安になるのは事実だ。2000年、インターネット・バブルが弾けたときにも起こったし、2008年から2009年にかけ、サブプライム住宅ローン問題でウォール街が内部崩壊したときにも起こったし、2020年、新型コロナのロックダウン騒動の際にも起こったし、おそらくは将来も繰り返される。
このような事態が起こったとき、株価は暴落するだろうし、世界じゅうの中央銀行はいつもどおりの手を打つだろう。具体的には、金融危機から脱するためにトン単位で紙幣を刷りまくり、最終的には株式市場に上昇機運を吹き込むのだ。世界じゅうのヘッジファンドやミューチュアルファンドや投資信託会社は、現金の上に座って巨大な好機を待つ、というゲームをプレイすることができない。対照的に、ウォーレンはこの“待ちのゲーム”をプレイできる。そして、あなたにもできるのだ!
ブラックスワンの出現を
ウォーレンは待ち続ける
市場そのものの動きを予測して大金を儲ける、
という手法で成功してきた人をわたしはひとりも知らない。
企業を厳選して常識的な価格で買う、
という手法でうまくやってきた人なら、たくさん知っている
株式市場を崩壊させる次の黒い白鳥(ブラックスワン)はいつ出現するのか?ウォーレンはこういう“予想”を模索するタイプの人間ではない。次の黒い白鳥が株式市場を崩壊させるのを、じっくり“待つ”タイプの人間だ。“それ”がいつ起こるかを予測しようとするのは、ほぼ不可能だ。しかし“それ”が起こったときに“それ”を利用するのは難しいことではない。