なぜか周りから人が離れていく…「自己承認欲求が強すぎる人」のNG習慣
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【精神科医が教える】自己承認欲求に振り回される人と、力に変える人の決定的な思考の違いPhoto: Adobe Stock

自己承認欲求との付き合い方

今日は、「自己承認欲求」と上手に付き合っていく方法についてお話ししたいと思います。

ひと言で自己承認欲求といっても、その言葉が指す意味には幅があるため、一概には言えない部分もあります。しかし、一般的に自己承認欲求とは、「自分が認められたい」「承認されたい」「評価されたい」といった、ある意味で他人を軸とした気持ちのことです。

自己承認欲求は、それ自体が悪いものではありません

私は、この自己承認欲求自体は、決して悪いものではないと考えています。

ただし、この欲求だけが暴走してしまうと、周りから見て痛々しい印象を与えてしまったり、自分が本当にやりたいことが何なのか分からなくなってしまったりすることがあります。あるいは、人間関係がうまくいかなくなるなど、好ましくない状況を引き起こす可能性もあります。

そのため、自己承認欲求を適切にコントロールしたり、その中でも自分にとって良いものとそうでないものを見極め、うまく適応させていったりすることが大切になるのです。

最も良くないのは「自己承認欲求ファースト」になること

自己承認欲求の中でも、最も避けるべきなのは、認められたいという気持ちを最優先にしてしまう「自己承認欲求ファースト」の状態です。これを第一に考えてしまうと、物事はうまくいかなくなります。

では、どうすれば良いのでしょうか。

大切なのは、まず「自分自身が何をしたいのか」を明確にし、それを第一に掲げることです。そして、自己承認欲求は、その目的を達成するために付随するものとして捉えるのです。

大切なのは「主」と「従」の関係を意識すること

つまり、「自分がしたいこと」を主とし、「承認されたい気持ち」を従とする、この主従関係をはっきりとさせることが重要です。

私の場合でお話しします。まず「主」となるのは、「自分の書いた文章を読んでほしい、本を出したい」「自分の考えや、こうすれば楽になれるよ、という発信が人の役に立ったと言われたい」という気持ちです。

そして、その上で「従」として、「発信に対して反響があると嬉しい」「本がたくさん売れると嬉しい」という自己承認欲求がついてくる、という形です。

主従が逆転すると、自分の方向性を見失う

ところが、もし「反響があること」や「本が売れること」だけを重視し、追い求めてしまうと、自分の本来の方向性を見失ってしまいます。文章にことさらに煽るような表現を入れたり、YouTubeのサムネイルが再生回数を稼ぐことだけを狙った、露骨なものになったりしてしまうのです。

そうした方法で一時的にうまくいったとしても、見ていてあまり気持ちの良いものではありません。

自分軸を「主」とし、自己承認欲求と上手に付き合う

自己承認欲求は、人が誰でも持っている自然な感情であり、否定するものではありません。しかし、うまくコントロールしないと、自分にとっても周りにとっても面倒なことになりがちです。

あくまでも「主」は「自分軸」であり、自己承認欲求はそれに付随するもの、くらいのポジションに置いておくことが大切です。自己承認欲求を人生のメインストリームに据えてしまうと、物事はうまくいかなくなってしまいます。このことだけは、ぜひ認識していただければと思います。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。