米空港の高級ラウンジ3カ所、試してみたフィラデルフィア国際空港にあるアメリカン航空の新しいビジネスラウンジ「フラッグシップ」に入ると、シャンパンで出迎えてくれる。2杯目も用意されている
Photo: Will Figg for WSJ

【フィラデルフィア】大金を支払ってくれる空の常連客を引き付ける最新の武器は、とろけるような食べ応えのある料理だ。ペンシルベニア州フィラデルフィア名物のサンドイッチ「チーズステーキ」は、フィラデルフィア国際空港に新設された二つのしゃれたラウンジのメニューに掲載されている。最近のある夜、筆者は「チェース・サファイア・ラウンジ」内のビアガーデンで、焼いた玉ねぎ、プロボローネチーズ、赤ピーマンと牛肉をロールパンにはさんだミニサイズのチーズステーキを、アメリカン航空のビジネスクラス向けの「フラッグシップ・ラウンジ」では、プロボローネチーズと唐辛子のピクルスが入ったリブアイのチーズステーキを注文した。

 頻繁に空の旅をする人が一つの料理が良いからといって航空会社やクレジットカードを選ぶことはもちろんないが、競い合う新たなラウンジのこうした詳細に目を向けると、米国の主要空港では今、高級ラウンジが必要不可欠なものだとよく分かる。ニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港やラガーディア空港、デンバー国際空港の例がまさにそうだ。

 昨年、旅客数が10%近く増加したフィラデルフィア国際空港は、現在はアメリカン航空の大西洋路線の米国側の玄関口だが、ラウンジの刷新は遅れていた。今年、アメリカン航空の「アドミラルズ・クラブ」(フラッグシップ・ラウンジの向かいに新設された)を含む新たなラウンジがオープンしたものの、それ以前に同空港でオープンしたラウンジは、2017年開設のアメリカン・エキスプレスの「センチュリオン・ラウンジ」が最後だった(複数の計画が新型コロナの世界的流行で延期された)。