写真:ユナイテッド航空,ANAPhoto:PIXTA

ユナイテッド航空が7年ぶりにアジア路線を開設します。成田~セブ線を封切りに、モンゴルや台湾の高雄などと続きますが、なぜ今のタイミングでアジアの新規路線に注力するのでしょうか? キーワードは「成田空港の再ハブ化」「大韓航空とアシアナの合併」「長引く戦争」です。今後の展開予想も含めて解説します。(ライター 前林広樹)

ユナイテッド航空セブ路線は
成田「再ハブ」化への号砲?

 10月27日、米国ユナイテッド航空は、成田空港~セブ(フィリピン)路線を開設する。使用機材は同社の日本~グアム線で用いられる小型機のボーイング737であるが、便名はロサンゼルス~成田線の続行便となるUA32/33便となる。

 これだけだと単なる海外エアラインの新規路線開設のニュースだが、実は米系エアラインが日本経由でアジア路線を開設するのは4年ぶり。ユナイテッド航空の場合は成田~ソウル線を廃止して以来7年ぶりの路線開設となる。

 ユナイテッド航空はANAと同じスターアライアンスに属しているので、マイレージなどでの連携があることから特に、ANA派に注目されている。ただし、それだけではない。2010年代以降、米系エアラインは米国本土からアジア各地への路線を直行便化し、20年春には成田から羽田への路線移管が一部で進んだ経緯がある。それが、今回の便をきっかけに「成田の再ハブ化」の号砲となりそうなのだ。