「お金は大切だけど、お金ばかり考えて一生を過ごしたくない」
物価上昇、株価変動など、お金の不安が尽きない時代。どうすれば、自由に豊かに生きられるのか? 娘のために「お金と投資」のアドバイスを綴った人気ブログを書籍化したのが『改訂版 父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』(ジェイエル・コリンズ著)だ。投資歴50年を通じて「経済的自立=人生の選択肢を持つこと」と説く著者が、時代に左右されない投資戦略と人生哲学を紹介している。
作家の橘玲氏は「お金持ちになるには、シンプルな方法がひとつあるだけ。あなたはなぜ、それをしないのか?」と評し、『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルは「美しくシンプルな本だが、人生に深い影響を与える」とコメントを寄せている。約10年ぶりに改訂となるベストセラーの本書から、その内容の一部を特別公開する。

【アメリカのFIRE投資家が教える】お金持ちが家を購入するときに絶対に考えることPhoto: Adobe Stock

住宅ローンはなんのためにある?

 借入金で家を買うのは、古くから「よい借入金」と言われてきました。でも、本当にそうでしょうか。

 不動産ローンはすぐに借りられるので、買う必要のない人まで家を買ってしまいますし、必要以上に高額の家を買ってしまう傾向があります。

 不動産ブローカーやローン仲介者がより高いものを買わせようとするのも残念なことです。

 経済的自立を目指すのであれば、借入金をできるだけ少なくすることです。

 つまり、買える中で最高の家ではなく、必要最小限の家を探すのです。

 より大きな家を買えば、コストは大きくなります。借入金の返済額が増えるだけではありません。固定資産税も上がり、保険料も光熱費も修繕費も、仕上げや建て直しも、すべてが高くなります。

 あなたが資産を築く基礎になるお金が、これらの支払いに使われ、大きな機会損失になります。

家の所有は「投資」ではない

 家が大きくなると、空間を埋めるための持ち物も増えます。身の回りのものが増えると、時間やお金、そしてエネルギーをそれらに注がなくてはならなくなります。

 家を持つことは贅沢な道楽です。投資ではありません。

 道楽に使う時間ができたときには、それでよいかもしれません。私も自分の家を持っています。

 しかし、家を持つことは必要で、経済的に健全なのだから、そのための借入金は「よいもの」だと盲目的に信じ込むことはやめましょう。

(本稿は、『改訂版 父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』を一部抜粋・編集したものです)

ジェイエル・コリンズ JL Collins

ファイナンシャル・ブロガー(ブログ「jlcollinsnh.com」主宰)
1975年から投資を行っている個人投資家。何度も転職する中で、収入の範囲内で生活するようになり、気がつけば夫婦どちらも働かなくても暮らせるようになっていた。実践したのはシンプルな投資だけ。収入の半分を投資、借金をしない、バンガード創業者ジャック・ボーグルの教えに従ってインデックスファンドに投資する。これだけで経済的自由を手に入れた。
2011年、娘宛てに「お金と投資」についての手紙をしたためる。その内容をブログに発表すると、世界中から注目されるようになる。